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am8:57
はらり とメモが落ちた。
[ 調教準備 9:00 ]
…ちょうきょう??
間も無く9時になるところだけど。
日曜日の独身寮集合ポスト。俺の部屋番号の蓋を開けたら落ちたんだから、俺に宛てたものだろう。
面倒だな。
周囲に誰もいないのを確認。メモを無かったことにしてしまおう…!
掌でクシャリと丸めた。
「ほう、そう来るか。」
いつの間にか背後に土井さん。
「案外姑息な手段でごまかしを図ったな」
服部さんまで。いつの間にか寮の先輩二人に囲まれていた。
このコンビは本能に忠実、快楽を追求する能力に長けている。同調してしまえば、退屈な日常におさらば出来るのだ。しかし、新しい世界を知ってしまってからでは二度と戻れない。
心の中で警報機が鳴り響いている。この二人が揃って現れるなんて…!!もう逃れられっこない。
管理人室から漏れ聴こえるラジオから、9時の時報が響く。服部さんが呟く。
「調教開始だ」
じりじりと距離を詰められ、逃げ道は無い。
「まずは場所を移そう。ここに居ても、なにも始まらないからね。」
「せっかちだね、君は」
二人に両脇を抱えられ、空き部屋に連れ込まれた。
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