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第3話 僕、淫魔です! -3-

「―……明日も、せーし、くれるんですか!?」 僕はおじさんに跨り、ペニスをアナルに咥えさせて腰を上下させながら、瞳を輝かせておじさんを覗き込んだ。 「……ああ、やる。やるから、今日は……もうこの回で勘弁してくれ……………………俺が死ぬ」 「ほぁ!? し、シ、死、ぬ!? それは困ります!……我慢、します……! だから、おじさん……死なないで……っ! せーしごはん……!!」 「受ける側が底なし……って何て言うんだ? 恐ろしいガキだな……」 「むぅ……底なしは……分かりませんが、僕、淫魔ですから!」 この淫魔の身体は驚くほどに性に柔軟で、疲れてしまったおじさんの為に、僕は騎上位で精子を頂いている最中なのだ。 それに僕は精液……精気は欲しいけど、相手を死なすのはイやだ。なのでおじさんからはココまでで……我慢、我慢。 僕が腰を上下させながら「今日は……ココまでで、我慢、我慢……」と呟いてアヘっていたら、おじさんが会話の続きをしてきた。 「……ただし、……精子……は、俺以外のヤツでも良いならな」 「?」 「俺くらいのおっさんから、若い男まで……有る意味、それなりにより取り見取りだ」 「??」 「……男娼として、俺らと一緒に行動してもらおうか」 「???」 「俺は転戦する傭兵団の……団長をしているんだ」 「!!!!」 傭兵団の団長さん、だったんですか! そして僕は団長さんに結局、下から激しく腰を打ちつけられながらの射精に酔いしれた。 今日の最後といわれた精を受け、ウットリとした気持ちで団長さんにそのまま倒れて抱きついた。 お互いの情事の汗でしっとりと濡れ、温かい肌……。 僕はその肌に縋る様に身を寄せると、団長さんが僕をそのまま受け入れて抱き寄せてくれた。 「……嬉しい。団長さん……大好き、です。僕、団長さんに付いて行きます」 熱っぽい僕の告白に、団長さんはただ頭を撫でてくれるだけだった……。 まぁ、出合ったばかりだし?拒絶されるより、今はこれで良いや。お釣りがきちゃう! 「……ところで、名前はなんだ? 俺は"リオ"」 「なまえ? ですか? ……そう言えば、記憶が無いので……名前が分かりません。あはっ」 「名前も記憶も無い……のかぁ? 変な奴だな……」 「目が覚めたらこの姿でココに居て……、ですね……。……名前は団長さんが……好きに……つけて……。……すぅ……すぅ……」 言いながら僕は、団長さんの腕の中で寝てしまった……。 「シャル、おはよう」 起きたら団長さんに僕はそう呼ばれた。 団長さんに、僕は名前も貰ったのか。 「団長さーん! おはよう、です! "シャル"は僕の名前ですよね?……嬉しいです」 そう言いながら彼の太い首に腕を回して、縋りついた。 しかもいつの間にかあの長椅子から、多分あの居住区の一室のベッドに移動していた。 そして団長は僕を、彼の傭兵団に本当に連れて行くと僕に準備をする様に言って来た。 準備も何も……。だから僕が、「荷物とか、無いです。昨日のシスター服はここのを適当に貰いました」と言って、元の服装をしてみれば、盛大に溜息を吐かれた。……何故ッ!? 「……シスター服は何故か似合っているし……外を歩くにも元の服装よりこっちの方が良いだろ。とりあえず、それ着とけ……はぁ……。その格好は……マズい。クる……」 「……了解でッす!」 "クる"???とは? 「……さって……、堅物副団長をどう言いくるめるか……」 「僕が言葉通り身体を張ってお願いを……」 「う~~~ん……? どうかな……? 潔癖も追加してそうな奴だしなァ……」 「え? えぇえ~~~……??」 そして僕は恐らく戦火後の教会から奇跡的に見つけた、煤けた大きな鞄に出来る限りシスター服を詰めた。 左手には服しか詰めていないボロボロの鞄、右手は団長の武骨で大きい手と繋いで…… 朝陽の中、僕は廃教会を後にした。

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