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第4話 僕、淫魔です!-Ⅱ- -1-

―……新しい朝はきっと希望に満ち満ちているに、…………違いない! ……自分が深く、細かく気にしなければ! 僕は手を繋いで歩いている人物を見上げながら、そう思った。 朝陽を浴びて輪郭がうっすらと輝いて見える。でも、その輝きは僕にはより、崇高なものに感じるんだ。 僕みたいな者を、受け入れてくれるその度量……。勢いで彼と一緒に行動してるけど、まだ酔っ払ってないですよね? 真夜中の廃教会で出会って、僕は今、一緒に歩いている傭兵団のリオ団長から、たくさん美味しい精液を貰った。 ―……そう。僕は今までの記憶が全く無い、"淫魔"なのだ。 ま、出会った時、団長さんは酔っ払って高いびき状態だったんだけど。そこを、淫魔として目覚めたばかりの腹ペコの僕が、団長さんの寝込みを襲ったって言うか……! そしてそんな腹ペコ淫魔の僕を、リオ団長は『傭兵団の男娼にならなか』と誘ってくれたんだ。 僕……淫魔、なのに……。 「……団長さんは、僕が"人間族"じゃなくても、仲間に誘ってくれて……。それは良いんですか?」 「あ~ン……?」 「僕……戦闘能力は殆ど無いと思いますけど、一応……魔族です……」 「……シャル、俺の仲間はな、様々な種族から成り立っているんだ。だから、魔族である淫魔なお前が加わっても"今更"なだけだ」 「今更……」 「さ、着いたぜ」 団長さんの言葉から視線を先に向けると、丁度談笑しながら男の人が三人歩いていた。 ……そして確かに、団長さんの言葉通り、彼らは人間、角持ちの魔族、熊系の獣人だった。 本当だ。これなら、僕が混ざっても別に大して目立たないと思う。……うん! よーし、がんばるぞー!! 「……貴方、何です? 人の顔をジロジロと……」 「……ぁ……、スミマセン……」 目の前の居る人物は、確かに『堅物+潔癖』そうな二十代後半の眼鏡男だった。美形だ。頭脳系美形だ。 あ。そうそう、"二十代後半"は僕の主観だけどね。 副団長は何と言うか……全身、"白"なイメージの人だった。 髪色は白っぽい水色で、まるで氷塊を思わせる。髪の重なりで陰になる部分が蒼っぽく見えるんだ。瞳は綺麗な海色の青。色素が薄くて白っぽい肌に、長身で細マッチョそうな体型。雰囲気がまた凪いだ海の様で……隣に座れば、何となくお互い黙っていてものんびり出来そうな感じ?僕、ゴロゴロと伸びきりそう。 そして対するリオ団長は黒髪、黒目、浅黒い肌色にこちらも背が高いが筋骨隆々な精悍男前なのだ。全身からは陽気さが溢れている感じで、団長の傍は何となく"温かい"気がするんだ。 並ぶと対照的な二人だなー、何となく。どちらも僕には眼福ですが。ああ、二人に挟まれたい。 「エスト、コイツは"シャル"。……淫魔で俺があの廃教会から拾ってきた。この傭兵団に男娼として俺は迎えたいと考えている……。 そんで、シャル、コイツがこの傭兵団の副団長の"エスト"だ」 副団長の、"エスト"、さん。 「……"シャル"? ……猫みたいな名前ですね」 「そうですか?名前は団長さんに付けて貰ったんです! 僕は気に入ってます!! ……それに、僕、淫魔でにゃんにゃんするの大好きなんで、猫っぽい名前、うれしーです」 「共通的に合ってるのは"にゃん"って部分だけだろ、それ……」 「にゃー? えへへ」 とぼけて団長さんの太い腕に縋り付けば、大きな手で僕の頭をワシワシと撫でてくれた。うへへー。 そしてそうしながら、「なァ? エスト……良いだろ?」と副団長さんにお伺い交渉をしてくれた。 しかしエスト副団長さんはそんなリオ団長さんの視線を、装着している銀縁眼鏡で"カキーン"と易々と弾いて僕に質問してきた。むぅ。手強い? 「……それで? どうしてうちの傭兵団に?」 「それは、団長さんが淫魔な僕を男娼として傭兵団に来ないかと……その、……えっと……、お腹が空いている僕が団長さんから"ご飯"を貰う為に……、にゃ、にゃんにゃん的な最中に言ってくれたからです! 僕、天職かと思うんです! お願いします!」 ……これは……。何だか面接試験を受けている気分だ。 リオ団長の推薦を片手に、僕はこの傭兵団の"試験"を受けている……のかな? みたいな? そう……。傭兵団の一員になって、僕が男娼でここの猛者達相手ににゃんにゃんして、せーしご飯やせーしオヤツとかせーし夜食に……もう、……嗚呼、せーしパラダイス! 精液摂取多かで僕、太ったりして……って、精液で太らないと思うけどさ。何となくな勢い。 脳内では"取らぬ狸の皮算用"、なのだ。今の僕は。 一気に答えて、再び団長さんの腕を"ぎゅぅ"とする。 色々な人物を相手に精気を貰う事になるだろうけど、一番好きなのは団長さんなのだ! 「……元の場所に戻して……」 「!!」 え? え? え? ……僕、戻されちゃうの!? 大好きなリオ団長と離れるのもイやだけど、ご飯に困るのもイやだ!! これでは早くもパラダイス計画がロストである!? 「~~~ぃや、です……。僕っ……、満足出来る様に頑張りますから……」 「……とは、言えませんね。あの廃教会でこんな可愛いのを見つけて来るだなんて……団長は相当、運が良いですね……」 ―……へ? 許された、んだ? ……でも、何でしょうか? その言い回しは……。 「シャルの傭兵団での役割を考慮して、特別に最初から"個室"を与えようかと思うんだが。まだ、部屋は余っていたよな?」 「はい、少し離れた部屋が余っている筈ですよ。……そうですね。その方が、皆も彼に行きやすいですし、シャルも誘いやすいでしょうから、良いのでは?」 「ぁ、あの! ありがとう御座います! 僕、頑張りますね! えへっ」 何と無く、新参者に破格な扱い!これはマジ気合入れて"気持ち良く"なって"ご飯"をもらう為に、どんな状況でも頑張らないと! 人には色んな嗜好があるからね。なるべく柔軟に……。暴力系……痛いのは基本イやだな……。あと、ナンだろ?うん、場面場面で対応してかなきゃなー。 「ところで……何でシスター服を……? 女装が趣味なんですか?」 「あ、これは……! 元の服よりこっちの方がまだマシそうなんで……。えっと……。女装は趣味じゃないですけど、嫌いじゃないです」 「……そうですか」 「はい!」 え? あれ? 何で副団長は、少し"残念"的な雰囲気なの? それに僕が考えていた程、"堅物"じゃない気がするけど?? 「……そうなんだよなー。元の服装ってのが……これだもんな? シャル?」 「ぅあっ? 団長さん!?」 言いながら団長さんは膝の上に僕を座らせて後ろのファスナーを下ろし、あれよあれよと言う内に僕はシスター服を脱がされた。 脱いだ先にあるのは、金太郎涎掛けと股が浅いホットパンツの僕。ハッキリ言って、露出部多く大変キワドイ。 「ついでにお前の性能、見てもらえ」 「ん、は……ふぁっ! だんちょー……さぁん……? ん、ん……ふぁ、ぁ……?」 そう言うと、団長さんは僕の涎掛け的服の中に手を侵入させ、両乳首を摘まんでコリコリとしながら、首筋を舐めてきた。 団長さんに煽られてドンドン高ぶってる僕を、副団長は静かに見ている……。 熱い舌が僕の首筋を舐める度に、僕は「はっ、ぁ、ぁ!」と小さく嬌声を上げて、身体をピクンピクンと揺らした。 そして団長さんに可愛がられている乳首とは別に、ペニスがひとりでに伸びて……丈の浅いホットパンツから"ヒョッコリ"してきた。 僕は直にホットパンツを穿いている状態だから、勃起するとペニスが直ぐに露になってしまうんだ……。って、丈が浅過ぎだろ、これぇ!! 「シャル、感度良いなぁ? もう涎出てる」 「団長さん、団長さぁん……。ぁ、あっ……!」 弄るターゲットを乳首から、ペニスに換えたリオ団長。 そして更に服を脱がされて、僕は結局全裸に……。 "コシュコシュ"と扱かれながら、僕は荒い息を繰り返して生み出された快楽を素直に受け入れた。 僕の痴態を二人に見られてる……。このまま、僕……、リオ団長さんにイかされちゃう……! 分けも分からず、羞恥心で顔が熱い僕に、リオ団長はイタズラな笑みを向けてきた。 「ここで射精できたら、男娼として合格、かなァ? エスト?」 「そうですね」 それって、イケって事? ここで……イって良いんだ……? 僕がこんな思考をしている間も、団長の攻めは続いている訳で……。 団長さんに扱かれながら、僕は『イって、合格』と言う団長さんの言葉に陰嚢が上がった気がして…… 「……っ、ひぃ……ひぃいいぃィいん! イ、くぅうううぅ……」 ―ぶぴゅる! びゅるるるっ!! 「ぃ、いんっ、淫魔のせーし……出しました……っ! ご、合格、くれますか……?」 「うん、合格だ、シャル。偉いぞ~? エストもそう思うだろ?」 「……ええ、合格です」 や、やった? これで僕は、この傭兵団の中に男娼としてちゃんと受け入れてもらるんだ……! 「ふぁっ……よかったでふ……」 射精してくったり気味の僕は、そのまま背を倒して団長さんにもたれた。 そうしたら団長さんが僕をか膝の上に座らせたまま、ペニスの後処理と服を着せて整えてくれた。 そんな一方で、副団長さんは魔法か何かで僕の迸りを処理してくれた様で……ありがたいです、ハイ。 それからちょっと休憩して、僕は自室に副団長さんに連れて行ってもらう事になった。 団長さんは傭兵団としての仕事があるらしく、迎えに来た精悍なお兄さんに強制連行されてしまった。 どうやら相手は結構重要なお偉いさんみたいで、連れに来たお兄さんはやや怒り気味な声色だった。 ……団長さん、大丈夫かな……? そんな感じで団長さんが連行された方角を見ていたら、副団長さんから声を掛けられた。 「シャル、君はこっちだよ。今から部屋に案内するから」 「はーい!」

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