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異常者 2
自分が大きくなるにつれて分かった。
男が男を好きになることはおかしいんだと。
普通じゃない。
異常だと。
今まで誰にも「好き」と言わなくてよかったと、俺は気づいた時ホッとした。
でも、同時に自分が異常だということを突き付けられたようで悲しかった。
「奏斗、サッカーしようぜ!」
「うん!」
俺は、男が好きな『俺』を隠した。
隠していれば、こうしてみんなといつも通りでいられるから。
好きな子の話をする時は「いない」と言って誤魔化していた。
でも、「あの子が好き」なんてちゃんと言える子がいると羨ましいと思うこともあった。
やっぱり話を聞いていると、みんなの好きな子はいつも全員女子で、男子の名前を挙げるヤツはいなかった。
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