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疑心暗鬼と幸福 7

「ひぅッ……!」 先をひと舐めされて、ビクビクと震える。 俺の反応を見てニヤリと笑ったナオは、今度はそれを咥えた。 「ひ、ぃやッ待っ…はぁあ……!」 嘘。 舐められた、咥えてる。 ナオが俺のを、咥えて……。 口の中、あったかくて。 何も考えられないよ………。 ジュブジュブ、と卑猥な音が立つ。 こんなのダメだ。 こんなの……絶対、堪えられない。 「やあぁ……、んん…や…だめ……」 「ん…気持ちよくない?」 「ちがう…も…おかしくなる、から…ぁ……」 「じゃあ、もっとおかしくなって」 「いやっ……待って…、あぁ…」 腰を掴まれているから逃げられない。 ただ、ナオに攻められるだけ。 「あっ…ぁ、…や、…先…やだ、」 「ここ…?」 「ああッ!舌……だめぇ…」 尿道の辺りに舌をぐりぐりと押され、全身が痺れる。 「あ…ぅんっ、吸わないでっ……」 そう言っても、余計に追い詰められただけだった。 「はぁ…あぁっ、く、口はなして……!」 「んー……」 「やっ…だめ、だめッ」 どうしようもなくなってナオの髪を掴む。 その時、先端に舌を押しつけられて、 「は、あッ………!」 欲を放ってしまった。 「……んっ、」 何かを飲んだような音。 飲んだようなじゃなくて……飲んだ? 「ナオ…口の中のもの……」 「飲んじゃった」 「飲んだって…なんで…」 「カナのだから。……カナのだったら飲みたいって思ったから…。…まあ、味は美味しくはないけど…」 出したものを飲まれて、その一言を言われて胸が熱くなるなんて、本当に頭がおかしくなったんだろうか。 「あ…ごめんっ、嫌だったらほんと……って、」 ナオの身体をとん、と押して倒れさせる。 ナオは布団に手をついてきょとんとしていて、俺が何をするのか全く分からないみたいだった。 「じゃあ…今度は俺の番だね」 まだ一度もイっていない性器に手をのばし、咥えこむ。 「……っ、」 息をのむ声を聞いて、もう少し深く咥えた。 ナオのこと、乱れさせたい……。 俺も…… 「…っ悪い、ちょっと体勢変えてもいい?」 「ん……?うん」 ずっと手をついたままだったら、確かに疲れるかも。 ちゃんと座り直して、また再開した時だった。 「……んっ、んぅ………んんッ?!」 「こっち、まだ途中だったろ?」 急に後ろに指を入れられた。 しかも、ちゃんとローションを足してる。 「俺が後ろ慣らすから、カナは構わずに続けてて?」 俺の髪を撫でながら言うナオの声は、言い聞かせるようでいて、楽しそうだった。

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