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第24話

「とっ、戸田っ!?あ…こ、れは…ちがっ…」 咄嗟に久保さんを突き放し、体が当たったのかグラスが足元に落ちる。 ガシャッと粉々になる音がして、戸田の表情と相まって映画の効果音の様に聞こえた。 「いいんじゃない、別に。俺たち、付き合って無いもんねぇ」 無理に作ったような笑みを貼り付けた戸田は僕と久保さんが抱きしめあっていた向かいのカウンター席に腰を下ろすとネクタイを緩めた。 「そうだよね。俺と昴はセフレだもんね、恋愛感情はナシなんでしょ?昴は」 「そっ…それは…」 何も言えなかった。こんなに戸田に体を開かれてきたのに、こいつを慰めてやる気にはなれなかった。 「よかったじゃん、昴。初めての両思いじゃない?…付き合うの?」

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