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第10話⚠︎
「んっ…...獅郎.....やだよ...」
僕の白いワイシャツのボタンを一つ一つ外していく獅郎。瞳は劣情で燃え上がっていて、今更止めたところで効果はないのはわかっていた。
でもここで制するような言葉を言わないと、さっきまでの久保さんとの出来事が薄れてしまうようなきがしたから。
「俺かていやや。スバルだってなんの抵抗もしないくせに」
「.....獅郎がシたいって言うからだよ。僕は獅郎がしたいことを止める権利もないし」
「止める権利って.....スバルの体のことやろ」
すべて外されて上半身が顕になった。
強い言葉で僕を責める彼だが、頬は紅くなっていて、僕を舐めまわすように見ている。
「獅郎がシたいって言うならするよ。でも6時から店開くから、5時までにはやめてよね」
先ほどの僕のようにベッドの上に座り込んだままの獅郎を放置して、窓際へ行きカーテンを閉めた。
途端に薄暗くなる部屋に自分の鼓動が早くなるのがわかった。
「.....スバル、昼飯は?」
「は?食べてない」
「そういえばなんでお前、上から落ちてきてたん」
「なにが.....あ.....」
僕の元へきた戸田くんに疑問を抱いていた僕だけど、僕こそ戸田くんからしたら自分の部屋より上から落ちてくるなんてよくわからない行動をしていたのだ。
「1階上に.....友達.....が住んでるんだ」
「なにそれ。.....セフレ?」
「違うって.....。ヤってないし」
「ふぅん.....」
獅郎は僕を押し倒し、腕を引いてベッド縫い付けた。見上げた先の獅郎はなんでも無いように言っていたけど、実はさっきのことに少なからず嫉妬しているのだ。
僕はわかっていた。でもわかっていながら付き合おうと言わなかった。
「まぁ俺達親友も所詮セックスのフレンドやし?お前が誰と寝ようと知ったこっちゃねぇから」
「んっ…...しろ.....」
大学生の時からセックスの時は名前で呼べと言われてきた。それをアラサー目前の今でも忠実に守る僕は、獅郎の一番の親友だと思う。
「昴.....」
「んぅ.....ぁ...」
獅郎は僕の平たい胸にかぶりつく様に舐め回す。
きっと僕と獅郎の性欲は同程度なのだろう。
僕も今日獅郎が来ればいいと思っていたから、実を言うと後ろの方は準備万端なのだ。
「.....獅郎.....っ脱がせてあげるよ」
僕の体に夢中で舌を這わせる獅郎のネクタイを剥ぐと適当に投げ捨てた。同じようにシャツも投げる。
僕がシャツを脱がせている間に獅郎は僕のズボンに手をかけ、そのままパンツごと下ろしてしまう。
「ぁ.....ゃ.....獅郎...」
僕が獅郎のズボンに手を伸ばす前に獅郎が僕を抱きしめて、腰のあたりの皮膚を掠める。
そんな微かな刺激でさえも敏感に拾ってしまう僕の体はその獅郎の細い指に腰を揺らし始めていた。
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