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第17話

『鈴香…』 「ふ…………」 昨日真尋が触れたところに、握りしめていた手が気がついたら伸びていた。 何度もキスしてくる首元、少しだけ強めに吸ったり、容赦なく指で押さえたりする乳首、浮きそうになるのをいつも抑えられてしまう腰骨…… 『お願い、まだイかないで。…一緒に、ね』 そう言って、真尋はよく奥に一気に打ち付ける。 (だめ………) 抵抗する意識とは逆に、指先はヒクヒクと震える後ろに伸びる。入り口に触れただけで奥までずくりと疼き、前が一層硬くなった。 (こんなの、だめだって……) でも、足りない。 身体の熱は前だけでは到底収まることができない。 (…だめ、入れちゃダメ、あの人を考えるな) そう意識すればするほど後ろの穴が切なそうにひくりと引き攣る。涼真はシーツに顔を押し付けながら、つぷつぷと一本、二本と指を差し込んだ。喉に留まっていた吐息が一気に漏れて、身体全体に一瞬電流が走る。 潤滑油を使って慣らすという行為はとっくの昔に必要なくなっていた。 「んッ…ハァ…あ、ァ、」 頭の中で響くのは自分から発する水音と真尋の掠れた切ない声だけ。 『……辛そうだね、もう我慢できない?』 穿たれると弱い部分に指で刺激をする。 『でも、もうちょっと我慢して。俺の全部を考えて。今、ここで、されてることを全部』 「ま…ひ、ろ……さ」 もう限界だというばかりに前が小さく震えた。そのまま力を強めて手の動きを早くする。

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