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第15話 結局俺の『取り越し苦労』。
「……気…が済みましたか…っ?」
叶がやっと我に返ったときには、俺が叶に中出しした精液を掻き出している最中だった。
多分軽い『快感』で我に返れたんだろう。
一生懸命に喘ぎ声を押し殺してたけど、甘い声が漏れていて……また俺はやりたくなっちゃってた。
「済んでないけどさ、叶が限界デショ?」
「……変なもの見て…私で試さないでくださいっ」
「試してないってば!!俺はちょー本気で悩んでたんです!!」
「私が……杉原先輩との…情事が嫌になることなんて……絶対にないですから」
とても消え入りそうな『言葉』だったけど、確かに聞こえた叶の『胸の内』。
可愛い可愛い俺の小さな『恋人』。
『禁断』かもしれない『楽園の果実のリンゴ』で、中毒性のある俺の『麻薬』的な存在の叶は……叶にとっても『嫌になることはない』らしい。
結局のところ悩んでいた『俺のセックスがマンネリ化してない?!』はただの取り越し苦労に終わったけど、そのおかげて……ちょーキモチイイセックスが出来て叶は『初ドライオーガズム』を体験したわけです。
「叶」
「何ですか?」
俺が呼ぶといつも可愛い笑顔で返事をしてくれる、叶がホントに愛しすぎて困る。
「……ありがとね」
俺は叶を抱き締めた。
「私は杉原先輩の彼氏ですから」
叶はというと、俺に身を委ねてくれた。
表情は分かんないけど、声色はいつもの叶だから笑顔で返してくれたんだと思う。
「どーしてくれんの?俺また叶に『愛』感じてる」
………とんだ『魔性』だね。
そんな叶に……俺は苦笑いしか出来なかった。
完
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