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09.『恋のナインボール』

キューを支えるブリッジが震える。これでラスト、9番のボールをポケットすれば俺の勝ち。年下である彼からの求愛行動は直球でブレがない。それを適当にあしらっていたのはつまらない俺のプライド。ポケットの縁で止まったボール。その瞬間、奪われた唇……。 「んふっ!」 ボールと共に俺は堕ちた。

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