20 / 32

19.

きみがだれだかもわからなくなってしまう 暗い瞳が愛しい。首を抱いたまま、後ろに倒れた。カツーン、と左腕が押した球が別の球を押し、ビリヤード台を転がる。あんな風に出会ったのだから別れる時も同じだろう。メモリの増設は安月給じゃ、お互い賄えない。また、やり直せばいい。愛も口づけも。

ともだちにシェアしよう!