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夏夢

そよぐ風が薄い布を揺らし生暖かい空気が入り込む。 カーテンの隙間から見える真っ白な雲に意識を向け快感を逃そうとした。 「ダメ…僕を見て」 「っ、んぁ…は、あぁっ!」 身体を押さえ込まれ腰が浮く。 耳元で囁く声は艶めき…同時に逃さないとばかりに奥深くを抉られる。 蝉の鳴き声がジージーと頭に響く。 世界が真っ白になるほどの強い刺激が蝉の鳴き声と混ざって、意識が遠退きそうになる。 無意識に汗ばむ身体にしがみつけば、揺さぶりが穏やかになった。 「ん…」 重なる唇は熱く濡れた舌を絡めあう。 薄く目蓋を開ければ、同じ様に見つめ返す瞳。 離れていく唇が銀糸を紡ぎプツリと切れる。 「や、もっと…」 頬に手を添え自ら口づけを強請れば、直ぐに応えてくれる甘い唇。 昂った自身が互いの腹の間で切なく震える。 無意識に擦りつけ更なる刺激を求めれば腰を抱え直された。 「…つかまってて」 「ふ、あ…!」 口づけを繰り返しながら呟かれた言葉に続いて、信じられないほどの快感が背筋を昇る。 どうしてこんなにも彼を求めてしまうのか。 愛なんて知らない。 けれど… 「離さないよ」 告げられた言葉に胸が熱くなったー。

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