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溺愛黒猫
3日前に街で拾った黒い毛並みの猫。
「ね、『ニャー』って鳴いてみて?」
「に、にゃー…?」
あ、下半身にガツンと来た。
「クッソ可愛いなぁ、どうしてやろう。」
ンー…と頭にキスしながら呟けば、困ったように身動ぎするのがまた可愛い。
「あの、」
「んー?」
チュッチュッとキスの雨を降らせていれば、小さな声で遮られる。
顔を覗き込んで「なに?」と優しく微笑めば、その顔は途端に真っ赤に染まった。
だからその顔は反則でしょ…
ムラムラと沸いてくる欲を抑え込みながらサラサラな前髪を指先で弄れば、おずおずと口を開いた。
「その、……に…スは、まだですか?」
「うん?」
よく聞き取れなくて、額に額をくっ付け目を見つめる。
潤んだ瞳が戸惑いながらも真っ直ぐに見つめ返してくるのが堪らなく可愛い。
「だから、その…口にキスは、まだしてもらえません、か?」
「ッッ!」
恥ずかしいのか切れ切れに紡がれる言葉に、殴られたような衝撃が頭に走る。
同時に熱を増す下半身。
「…口だけで良い?」
「……!それ、は」
動揺を隠しつつ意地悪く返せば、大きく揺れる瞳と口ごもる柔らかそうな唇。
細い手がキュッとシャツを握ってくるのは了承の意だろうか。
ほんと、どうしてくれよう。
拾った猫にここまで骨抜きにされるとは思ってもいなかった。
「たくさん、キスしたいです…」
自分の理性と本能の天秤が大きく揺らぐ中、そんなことを告げられて。
本物の猫のようにスリッ…と頭を擦り付けてくるのに、本日2度目の衝撃が走った。
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