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炬燵
主は馬鹿だ。
「日本の『姫はじめ』は炬燵でするんだよ」
「あ···ほんと、デスか?」
主の膝の上には煌めく金髪を乱し、透き通るような肌を桜色に染めた美しい人。
その下肢は主の手に覆われ、濡れた水音が私の中で響く。
主は想い人との営みに夢中で私の温度調節など意識の外。
仕方ない、ここは私の配慮で温度を下げよう。
「···キス、したいデス」
甘えた声に嬉しそうに応える主は昂る自身を彼に押し付け囁いた。
「後でベッドでもしようね」
本当に私の主は馬鹿である。
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