21 / 27

悲恋を乗り越えろ!

腕の中の暖かい毛並みに頬擦りをし、穴の空いた心を埋めるように胸一杯にその匂いを嗅ぐ。 『お前より大切なヤツができた』 そうかもな、と思っていた勘は当たらなくても良かったのに。 「···ごめん、明日は笑うから」 飼い主の心を理解しているかのようにジッと大人しい犬に呟き、今日初めての涙を流した。

ともだちにシェアしよう!