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第78話
背中越しに希が ふっと笑うのを感じた。
『わかった』とでも言うのだろう。
俺の腰を掴み、ゆるゆると抽挿を始めると、それを追いかけるように俺の襞が絡みつく。
『いかないで、いっちゃやだ』と駄々を捏ねるように。
「斗真…お前の中すごいことになってる…」
希のうれしそうな声がした。
「…あっ、だって…希…ああっ」
気持ち良過ぎて愛おし過ぎて泣きそうになる。
再会してから何度も抱かれたのに、今日は全く違う。
身体は正直だ。
自分の独りよがりでなく、相手も同じように…いや、それ以上に想っていてくれていることを知ったら、愛情を感じ過ぎて、細胞レベルで蠢き、それが全身の毛穴から吹き出すような気がする。
それが伝わるのか…
「希っ、希っ…俺を…愛して…」
思わず、ずっと言いたかった言葉が漏れて出た。
「…ああ。お前の気が済むまで愛してやるよ。」
言い終わると同時に、ずんっと深く突き入れられた。
「ああっ」
背中が仰け反り、悲鳴に似た声があがる。
熱い…ナカが熱い。
「くうっ…斗真…少し緩めて?食い千切られそう…」
無意識に希の楔をきゅうきゅうと締めていたらしい。
ペチペチと尻を叩かれた。
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