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データ3~神の回線~

・・・-------「目覚めよ、そこの人間の魂」 ・・・ん?俺の事かな・・誰? 「私はお前が生きていた世界の神だ」 ・・・ああ・・カミサマ・・ 神様ね・・俺やっぱ死んだんだな・・ 神様って初めて見たけどスーツ着てんだね いや、それより・・神様って存在してたんだな・・いやービックリ~・・・ 「また随分と暢気な人間の魂だな、いきなりで悪いが今回お前をここへ呼んだのには理由があってな・・・本来ならば普通の人間の魂などには余程の事が無い限り関与しないのだが・・今回は少々厄介な事になっててな」 へ~・・俺に何か関係あんのかな? 「ああ、お前が作った機械の事だ 確かアンドロイドと言った人型と獣型の機械だ」 アンドロイド?・・俺が作った・・? ああー!!?そうだ!アンタ神様なら知ってる? 俺が死んだ後どうなったのか!? 「当たり前だ、お前が息を引き取った直後・・鳥と少年の機械はもう1体のほうに力を供給した後 停止した・・残った1体は扉が開いたあと 暫く外にいた連中と何やら揉めるも 家に帰りそれぞれ自分達の壊れた部分をなおしていたな・・その後、機械達はお前の願い通り 狂ったようにお前を死へおいやった人間共に重い罰を与えた後(のち)執事の機械1体を残して他の機械たちは全員眠りについた・・・そして、眠りについた者達をその1体が壊し、その後自分も跡形も無く消える予定だったようだが・・壊される前に私がここへ呼び他の世界の神に渡し そこで新しい人生を歩んで・・・くれると思っていたのだがな・・あやつ等には生きる気がないらしい・・まあ、死ぬ気でいたところを連れて来たのだから無理も無いが・・あんな変わった存在を無くすのは惜しいと・・他の神々からも言われたのでな・・皆(みな)で相談した所 あやつ等を一番気に入っていた神が自分の世界へと連れて行ったのだが・・まったく生きる気がないので困っていると・・自分を消そうと色々と試みる者や、まったく動かない者、そして何よりお前と共に居た時は人間と見間違うほど生命力に溢れた機械達が・・だ・・全員表情も感情もない・・ただの鉄の塊になってしまった・・どうにかならないかと頼まれてな・・お前の魂を探して連れてきたわけだ・・お前なら何とか出来るのではと思ってな・・どうだ?」 え?どうだって言われても・・・ うーん・・・会えるのであれば一応説得はしてみますが 彼等結構頑固なもんで・・なんせ自分の意思を持って動いている家(うち)の自慢のアンドロイドですからね・・どうなるやら・・ それにしても、あれほど俺が死ぬ直前に生きろって言っておいたのに! あいつ等約束破りやがったな! 命を粗末にしやがって!許さんぞ! 説得より先に説教してくれるわ!まったく! 「随分とあやつ等はお前に執着していたからな・・その・・どうだろうか・・お前の肉体は焼かれてしまったので同じ肉体とはいかんが・・あちらの神と相談して お前を転生と言う形であちらの世界に送るので、彼らに会って説得をしてもらえないか?」 いや・・別にまあ・・また、彼等に会えるのであれば どうぞ貴方の好きなようにしてください・・ 彼等の幸せの為ならどんなに辛くても耐えてみせますよ俺は 「そうか・・それ程お前もあやつ等を愛しているんだな・・」 当たり前です俺の大事な家族ですからね  それにしても、やっぱりウチの子達は凄いねぇ  神様達に惜しいなんて言ってもらえるなんて  俺も鼻が高いよ 「そう・・お前に会ったら聞いてみたい事があった・・・」 なんです? 「何故あんなものを作り出したのだ?お前は神にでもなりたいのか?我々神ですら魂などそう易々(やすやす)と創れるものではない・・だが、お前はあの人の形をした機械と獣の形をした機械を作っただけではなく魂まで与えた・・あんなものを創ってお前は神でもなったつもりか?」 へ?イヤイヤ!神様になんて!  そんな大それたものになろうだなんてこれっぽっちも思ってませんよ! それに俺は魂を与えたりなんて出来ませんよ・・唯の人間ですよ? あと実際は俺が作った訳じゃないです俺はちょっと手伝った程度です! 原因はハッキリとは解りませんが・・俺が3才の時に家族が俺の為にあの子達を作ってくれたんですが その時は他の市場に出回っているアンドロイド達と余り変わらなかったと思います 恐らくですが、俺が小1の頃に酷い台風がきて雷が家に落ちたんですよ その時、多分なんらかの影響を受けて感情が生まれたのではないかと・・・ なので世界中に居るアンドロイド達の中であの子達だけが奇跡的に感情・・魂をもってしまったのでは・・と・・俺達家族は推測したのですが・・と言うか・・神様だったら俺なんかよりもアイツ等がどうして生まれたか・・とかわかるものなのではないのですか? 「まあな、知ってはいたが・・・ちょっと人間を責めて見たかっただけだ 八つ当たりのようなものだから気にするな」 コラァ!チョット待ってくださいよ! 何ですかそれ!?必死で説明した俺がアホみたいじゃないですか! もう!止めて下さいよ!善良な人間を脅かすのは! 「ハハハッ・・・!悪かった悪かった!しかし・・・人間の作り出すものは見ていて面白いが・・時には神の私ですら恐ろしいと思う物も作ったりする・・・人間とは何処まで貪欲で浅ましいのだろうな・・」 そうですね、そういう恐ろしい考えを持った人間も確かに居ますが・・・ 貪欲なのはけして悪いことではないと思いますよ、 人間の中には自分の中の可能性を信じて考えて考えて考え抜いて 例え何度失敗したとしても・・少しでも前へ進もうと 自分の持っている技術・・能力を最大限に発揮して苦労に苦労を重ねた結果ようやく完成させた時や発見した時の喜びに幸せを感じ・・ それに慢心せずに更に貪欲に追求し続け、努力して 素晴らしい物を作り出して居る人間達もいる事も忘れないでいただきたいですね 人間はゆっくりとですが間違いなく、これからも進歩し続けますよ・・ 生きている限り常に挑戦し続ける・・人間とは無限の可能性を秘めた素晴らしい生き物なんですよ 「へぇ・・面白い・・人間嫌いで人間に殺されたお前がそれを言うのか?」 うっ!それは・・確かに・・でも人間嫌いではなくて・・苦手なだけですよ・・ もう、せっかく良い事言ったつもりだったのに・・台無しだよ・・ 「ふっ・・本当に楽しいな、お前で遊ぶのは」 ハッ・・!今!サラッと酷い事言われたよね!? 何で俺 会って間もない神様に遊ばれなきゃいけないの?! 勝手に連れて来られた上に、もて遊ばれるなんて酷くない?! もう許さん!神様だろうが何だろうが理不尽にもて遊ばれるのは気分が悪い! 神とやら覚悟しろ!俺が説教してくれるわ! 人間をなめクサリやがって!戦争だ!さあ!どっからでも掛かってこいやぁ!シュッ!シュ!・・あれ?・・俺の自慢の右ストレートが出ない・・・ 「クッ・・・!アハハハハハ!!当たり前だろうが!今のお前に肉体はないのだからな!馬鹿だなお前は!アハハハハ!」 そうなんだ・・ウチの家族って皆 頭が良いのに 俺だけ何故か頭の出来が悪いんだ・・ついでに顔も・・そう・・俺は馬鹿だからね 1からアンドロイドを作るなんて48歳になった今でも出来ないんですよ 俺の兄ちゃん達なんか中学の時には もうアンドロイド完成させてたらしいのに・・ だけど、アンタも何もそんなにバカ笑いしなくてもいいじゃないか・・傷ついた・・ 神様なんて嫌いだ・・・ 「ハハハッ・・!あっ!いや、いや、その・・すまなかった・・・ほらコチラヘ来い」 嫌です・・あっち行って下さい・・ もう貴方とは話をしたくありません 「・・・私も久しぶりの客人だったので、はしゃぎ過ぎたようだ・・その・・今まで一人だったのでなお前と話していて楽しくなってきてしまったのだ・・私も反省しているのだ・・もう笑ったりせんから・・コッチヘおいで」 フンッ!俺はアンタの暇つぶしのオモチャじゃないんですよ! もう用がないなら転生でも何でもサッサとやって下さいよ! そして、もう二度と俺の前に現れないで下さいね! 「・・さすがに面と向かって嫌われると傷つくものなのだな・・それにまだ用なら有る、だから此方に来てくれないか?大事な話があるのだ」 そこでお話してくださって結構ですよ  ちゃんとここで聞いてますから! 「はぁ~・・まったく流石あの機械たちの主人と言ったところか・・頑固だな・・仕方がない」 お?おっ!?何で俺勝手に移動してるの?! 「私は神だぞ、お前の魂を手元へ連れて来るなど容易い事だ・・お前の意思でコチラに来るのを待っていてやったのに お前が頑固だから悪いのだぞ・・ん?・・ほう・・よく見れば中々綺麗な魂だな・・これは珍しい・・なるほどな・・だからあの機械たちの宝石と相性が良いのだな・・」 ん?どういうこと? 「ちょっと生前の姿を近くで見たくなった・・・それにこの方が話をしやすいしな」 「わっ!?手だ!体がある!ちゃんと喋れる!」 「先程は魂だけだったからな・・ほら、こちらを向いて顔を良く見せてみろ・・・んー・・やはり」 「ちょっと顎掴まないでくださいよ」 顔近っ!・・え? わー・・この人筋肉凄いよ・・ いいな~・・胸板ムキムキ・・ 本当は神じゃなくて格闘家の人なんじゃないの? ウチのアンドロイド達には居なかったタイプだな 1体くらいこう言うボディのアンドロイド作ってもらえばよかったな・・って! 何で俺神様の膝の上に座ってんだ!駄目だろ! ああっ!でも神様の太い腕が俺の腰ガッチリ掴んでるから逃げらんないっ! 「ちょっと!降ろして下さい!」 「お前・・先ほど頭も顔も良くないと言っていたが・・・顔の方は良い方(ほう)なのではないか?これは・・」 「んなわけないでしょ!ちょっと!それより!はーなーしーてーくーだーさーいィィィ!くっ!・・ビクともしねぇ・・」 「ふふっ・・これは確かに可愛いな・・チュッ・・」 「-----ちょ!?俺の神聖なデコに何て事するんですか!汚(けが)れるので止めて下さい!バッチイな!もう!」 「ヒドイ言われようだな・・・お前のとこの機械が言っていたぞ・・お前で遊ぶと楽しいと・・イジメられるのが好きで、嫌がっている姿が一番可愛いとな」 「んんっ!?誰だ!そんな馬鹿な事言った奴は!!-----あっ!あいつか・・!あの鬼畜執事が言いやがったんだな!そうだろ!そうなんだな!?」 「当たりだ良くわかったな、だが・・お前で遊ぶのは楽しかったと言っていたのは全員だったぞ」 「え?・・・えっと・・俺と一緒に遊ぶのは・・ではなく?」 「ああ、確かにお前で・・と言っていたぞ」 「そんな・・嘘だろ?・・酷い、皆ヒドイよ!・・俺・・本当にあいつ等に愛されてた?あれ?俺・・もしかして勘違いしてた?愛されてたんじゃなくて・・玩具にされてた・・だけ?・・・-------イヤ!嘘だーー!!だってだって!あのクソ執事以外は俺の事愛してるって皆言ってくれたもーーーーん!!!!嘘だって言って下さいよっ!ねえ!どうなんですか!神様でしょ!?俺を救う一言を!プリーーズ!!」 「え・・あ・・いや・・残念ながら嘘ではない・・何なら その時の映像を見るか?」 「止めて!!俺にそんな衝撃的残酷な真実を突きつけて これ以上心の傷をえぐらないでくれっ!神様の人でなし!何で俺死んだ後に こんな傷つかなきゃいけないのさー!全部神様のせいだ!やっぱり嫌い!ここへ来なかったら知らずに美しい思い出のままであの世に行ってたはずだったのに!!アンタなんか大キラ・・ングッ!」 「ショックだったのはわかるが・・あまり嫌い嫌いと連呼しないでくれ・・私の心も言われるたび傷ついているんだぞ」 「んー!んーっ!ん!んっ!」 「あ・・すまん・・苦しかったか?」 「-----ケホッ!・・ちょっと!アンタの手大きいんだから・・口ふさぐなら手の位置考えてよ!鼻と口を両方塞がれたら苦しいって!ん・・・でも、俺も悪かったです・・その・・八つ当たりで酷い事言ってゴメンナサイ・・う~~・・でも俺はこの遣(や)り切れない感情をどこにぶつけたらいいんだ~・・・俺の人生振り返って見ると・・確かに思い当たる節があるよ・・良くあいつ等には泣かされたもんだ・・ヒック・・うっ・・うっ・・」 「あー・・ヨシヨシ・・それは辛かったな 泣くのなら、気の済むまで泣けばいい・・私の胸でよかったらかしてやる・・愚痴りたいのならば聞いてやるから・・落ち着いたら私の話を聞いてくれよ」 「うんっ・・うん!-----うわーん!ありがとう!アンタいい人だったんだな!神様みたいだ!」 「・・いや・・みたいではなく私は間違いなく神だぞ・・」 「聞いてくれよ・・!あいつ等俺にどんな酷い事したと思う!?・・・・-------------------・・・でな!・・でな!俺がアイツ等のご主人様なのに!言う事なんて全然聞いてくれないんだ!!それどころか俺が買って来たアイスとか、俺が作ったゼリーとかな冷蔵庫で冷やして風呂上りに食べようと楽しみにしてたのに!全部あいつ等が食べちゃってて俺の分が無いんだ!それも一度や二度の話じゃないんだぞ!いっっつもそうなんだ!別にアイツ等アンドロイドだから食べなくても平気なのにだよ!?絶対アレって嫌がらせだったんだ!」 「そうかそうか、かわいそうにな・・ヨシヨシ」 「う~・・ヒドイ・・それに嘘だったんだ・・俺を愛してるなんて!愛してるなら そんなこと絶対しないよね!ねっ!?そうだろ!?」 「っ・・・どうだろうか・・人間の中には気を引く為に好きな子をイジメると言うのを聞いた事があるぞ・・それではないのか?」 「違うね・・そんな事するのは子供だけだ・・アイツ等だってアンドロイドとは言え良い大人なんだぞ流石にそれはないですよ・・はぁ~・・俺アンドロイド詐欺にまんまと引っ掛かったんだな・・・」 「アンドロイド詐欺・・そんな詐欺があるのか?はじめて聞くな・・」 「ねぇ・・訴えたら慰謝料取れると思う?」 「いや・・それは分からんが・・十分過ぎるほど愛されていただろうが・・」 「そうかなぁ・・・」 「そうでなかったら、毎日あのように飽きもせずお前を抱いたりはせんだろう・・・」 「・・へっ?-----なっ!?ちょっ!・・まさか!・・見たん・・ですか・・」 「あ゛・・いかん・・余計な事を・・」 「見ーたーんーでーすーねー?」 「いや!ほら!私は神だからな・・仕方・・ないだろう・・?」 「わーーーーっ!!!あれを見られた!?嘘だろ!?死にたくなるほど超ハズい!!今すぐ消滅したいー!!ちょっと!神様とはいえ俺にプライバシーってものはないのかよ!!まずはアンタを訴えてやる!!」 「勝手に見た事はあやまる!それより訴えるとは・・誰に訴える気なのだ?」 「え・・?アンタより上の偉い人とかに・・」 「ほう、誰だそれは?神より上がいると思うのか?」 「え・・いないの?えっと・・神様より偉い人って・・仏様?・・大神・・-----ハッ!そうだ!絶対これだ!!カイオーし・・ングッ!!?」 「お前は漫画とアニメの見すぎだ・・・私より上の神などいないよ訴えるのは諦めろ、どうしてもと言うのであれば私に直接言え」 「ん!んーー!」 「あ・・すまん」 「だから鼻と口塞がないで!それよりアンタ・・知ってるって事は漫画とかアニメ見るんだな・・・」 「まあ、暇なのでな・・ところで・・そろそろ私の話を聞いてはくれないか」 「ああ・・そうだった・・愚痴って泣いて少しスッキリしたので ちゃんと聞きます」 「うん・・まずは先程少し話をしたが、どうしてあの機械達だけに感情があるかという事を話そう・・アヤツ等に使っている宝石なのだがカナリ質の高い物を使っているだろう?」 「ああ・・確かに・・特に俺のアンドロイド達の宝石は質も量もその辺で売ってる他のアンドロイドに比べればかなり上等なモノらしいですよ・・俺の家族がアイツ等を作る為にどっかから入手してきたらしいんですけど・・あ、でも市販されてるアンドロイド達だって宝石を使ってるよ?あれも大事なアンドロイドのエネルギー源だからな・・一番高級なアンドロイドなら俺のアンドロイド達よりも、もっと質の良い宝石使ってるんじゃないかな・・宝石が良いから感情が生まれたっていうなら違うと思うけど・・正直宝石は関係ないんじゃないですか?」 「いや、関係はあるのだ・・だが宝石だけと言う訳ではない、お前の存在とお前の家に落ちた雷こそが 奇跡的にあの機械達に魂を与えたのだ」 「俺の存在?何で俺?」 「お前は・・人間にしては滅多に見ない美しい魂をしているのだ・・昔から神々の間では綺麗な魂と宝石は相性が良いと言い伝えられていた・・が・・せいぜい己の持っている力が増幅すると言う程度だった・・それが まさか、今回のように魂を生み出してしまうとは私達神も思いもしなかった・・質の高い宝石に、お前の美しい魂・・それだけでも、何かしらの作用が働いていたはずだ・・だがそれに止めを刺すかように偶然にもお前の家に雷が落ちた・・その衝撃でアヤツ等は人格を持ち・・そしてお前と生活していく中で徐々に感情(こころ)を成長させ、人間に近い魂をあの機械の体に宿らせてしまった」 「あの、本当にその3つが原因ならば俺のアンドロイドは まあ宝石の質も良かったし1体に付き宝石の使用量も多かったから分かるけど・・・爺さんとか父さん達のアンドロイド達も?確か使ってる宝石はそれ程高くないし・・1体に使ってる宝石の量も少ないって父さん言ってたけど・・やっぱりあの雷が落ちた日から俺のアンドロイド達みたいに感情をもってたよ?」 「何を言ってる・・確かに機械に入っている宝石の数は少なかったが、お前の家の機械達は全て色も大きさも純度も申し分なく素晴らしい希少な良いものばかりが使われていたぞ・・ただお前の機械達に比べてしまうと、そうでもないのかもしれんがな・・・」 「そう・・なの?俺のアンドロイドって高いってのは知ってたが・・実際1体のアンドロイド幾ら位するんだ・・?値段聞くの怖いな」 「ところで、この宝石に見覚えはないか?」 「わっ!?怖っ!アンドロイドの眼球じゃん!何でそんなの・・持って・・・あ・・これ中にダイヤモンドが、これって・・もしかしてウチの執事のか?」 「そうだ、お前が死んだ後 己の左目を抜き取り一緒に棺桶に入れたのを 私が拾って再び本人へ返そうとしたら 元の場所に戻せと・・凄い剣幕で怒られてしまってな・・結局ここへ置いて行ってしまったのだ・・すまんが、お前から渡してはくれないか?お前からならアヤツも受け取るだろう」 「何考えてんだ あのアホ執事は!棺桶にこんなの入れて、俺の墓が墓荒しにでもあったらどうすんだ!んー・・渡すのはいいんですが・・転生したら俺アイツに会うまで これを持ち歩かなきゃならないんですか?」 「そうだが、そんな嫌そうな顔をして不服か?」 「嫌ですよ、こんなアンドロイドの眼球持って歩くなんて 気持ち悪い!」 「結構ヒドイなお前は・・・」 「大体こんなの持ってる所を もし他の人に見られたら頭オカシイ人に思われちゃうよ」 「そうだな・・では私の【収納空間(しゅうのうくうかん)】を貸してやろう」 「収納空間?」 「そうだ、普段は私が使っているものだが自由に物が出し入れ出来る ほれ、こんな感じに欲しい時に自分の手元に・・」 「あー!!【じゃがじゃがサン】だ!食べたい食べたい!下さい!神様それを俺に下さいお願いします!好物なんです!」 「わかった!わかった!ヤルから私の上でジタバタするな」 「はい!大人しく待ちます!」 「・・うん、良い返事だな・・ほら食べるが良い」 「やった!ありがとうございます神様!カリカリカリカリ・・・・」 「(からかうつもりで菓子を1本私の口に挟んだのだが・・まさか・・なんの躊躇もなく こんなに嬉しそうに食べだすとは・・・可愛いものだな、まるで雛鳥のようだ・・だが・・かわいそうに・・相当あの機械共に調教されたのだな)なんと不憫な・・・」 「ん?なんか言いました?」 「いや・・それより先程の話の続きだが」 「・・・続き?なんの話してたっけ?」 「収納空間の事だ!」 「ああ!そうだった そうだった思い出したよ 欲しい時に手元にくるんですよね【じゃがじゃがサン】が」 「違うわ!!一旦(いったん)菓子の事はちょっと忘れろ!その私の収納空間を貸してやるには お前と私を繋げる必要がある・・それにはまず私に何か呼び名を付ける事だ これは、アチラの世界で私の名を呼び願えば それを聞き入れ私が収納空間を発動させてやる、そしてもう一つなのだが・・・まあ取りあえずは先に何か名を付けてくれ」 「うーん・・いきなり言われてもな・・」 「まあ時間はあるゆっくり菓子でも食べながら考えるが良い・・(私も何か考えねば・・問題はもう一つのほうだ・・さてどうするか・・)」 ・・・・------------------------------・・・「決まったか?」 「んー・・まだです・・神様どんなのがいいんですか?」 「お前が考えた名なら何でもよい・・ほら新しい菓子でも食べながら 頑張って考えてくれ」 「わかりました・・・あの~神様すみませんが何か飲み物いただけませんか?お菓子食べたら喉が渇きました」 「そうか、では自分で好きなのを選ぶといい」 「わっ!?白い扉がこっちに向かってくる!」 「収納空間に入れたものはこの部屋で食料・衣服などに仕分けされ、それぞれの部屋で保管される・・こちらの扉は食料品が置いてある部屋だ好きなのを選ぶといい」 「おー!凄い量だ・・あ!じゃあお茶を下さい」 「わかった・・それとこっちの部屋を見てみろ私の趣味専用の部屋だ」 「あーー!!あれって!アレって!まさか!!【俺は今!炎より燃えてるぜ!!】の新刊?!-------って!あああー!!!アッチは【極めろ!喧嘩と料理は紙一重】のゲームソフト!!え!?【極めろ!シリーズ②】って二作目?!嘘だろ!いつの間に出たんだ!!俺の知らないうちにーーー!!」 「・・・お前意外とマニアックな趣味してるな・・私は此方の海賊と忍者が良いと思うぞ」 「お?もしかして・・神様って結構こういうの好き?」 「ああ、これがあるから私は地球の神をやっていると言っても過言ではない・・お前も好きなのだろう?私達は話が合うとは思わないか?」 「おもう!思うよ!凄い親近感沸いた!神様いい趣味してるじゃない!見直したよ!」 「そうかそうか、ではお前と私は友達になれるだろうか?」 「え・・・?とも・・だち・・」 「共通の趣味を持っているのだ・・私達は気が合うと思ったのだが・・嫌か?神である私と友達など・・」 「え!?全然!まったく!嫌では・・ないです・・その・・嬉しいです」 「(ふふ・・顔が真っ赤だ・・本当に可愛い・・この子は生前、友人が一人もいなかった・・幼い頃作ろうと頑張っていたのに独占欲の強いアンドロイド達が邪魔をして・・人間の友達を作らせてもらえなかったのだ・・それどころか人間嫌いにまでさせた・・まったく自分の主人に酷い事をするもんだ)そうか、ではアチラの世界へ行ってもたまに此方に呼んでも良いか?友達であるお前とこれからも もっと色々と話をしてみたい」 「はい!勿論です!友達・・ですから・・ね・・」 「(参ったな・・友達と言う言葉を使うだけで 毎回そんな初々しい反応をされては こちらが照れてしまう)友達なのだから敬語もいらない、気軽に話せ」 「うん!なあ!じゃあさ!ちょっとでいいからゲーム一緒にしたい!お願い!」 「ハハハッ!いいぞ!チョットと言わずたくさん遊べばいい、漫画も好きなだけ読んでもよいのだぞ」 「マジか!?本当に俺は嬉しい!!友達が神様のようで!さて、どれからやろうっかなぁーと♪」 「いや・・だからな 神様のようではなく本当に神なのだが・・」 ・・・------------------------------・・・「あー!!また負けたーーー!!!何だよ!アンタ強すぎ!このゲームではアンタに勝てる気がしねぇ・・・」 「何を言っている先程やってたゲームでは惨敗だったぞ私は・・まさか、お前があんなに強いとは思わなかった、このゲームも最後はお前にかなり追い詰められてこっちはヒヤヒヤものだったぞ まったく・・」 「ねぇ、決めたよ?」 「何がだ?」 「アンタの名前【理機(リキ)】ってどう?最初あんたガタイ良いし力もありそうだから【力(ちから)】って書いてリキにしようと思ったんだけど・・ちょっと俺の漢字一文字入れてみた・・読み方は一緒だけどどっちがいい?」 「【藍機(らんき)】だったなお前の名は・・ではお前と同じ字が入っている方の名をいただくとしよう【理機(りき)】か良い名を貰えて嬉しいぞ・・大事にする ありがとう藍(らん)・・チュッ・・」 「うっ!?・・うん・・い・・いんだ・・その友・・・達だ・・し・・」 「(頬にキスしたのに怒られなかったぞ?友達になった事で距離が縮まったせいか?)名も付けてもらったし・・こんなにたくさん一緒に遊んだんだ・・私達の関係は親友と言っても良いものになったのではないか?」 「えええっ!?し・・!?親友!?・・そう・・なのかな・・俺親友って呼べる人って今まで居なかったので良くわかんないんだけど・・そうだと・・いいな・・」 「では今から私達は親友だ、改めてこれからも宜しくな藍(らん)」 「うん!ヨロシク!また、一緒に遊んでくれよ」 「それでだ・・名もつけてもらったし【収納空間】を使う為に もう1つやらねばならない事があるんだが・・・」 「うん 何?」 「キスだ」 「は?」 「藍(らん)が私にキスをする事だ」 「・・・え?ちなみに、どこに?」 「クチだ」 「ちょっと!何それ!?冗談・・だよね・・?」 「いや!私とリンクする為に必要な事なんだ!------そう!それに人間の友人同士では普通にするものだろう?別に変な事では無いと思うのだが」 「・・・いや、さすがに それはしないでしょう・・」 「・・っ!だが!人間の少年達が集まり如何(いかが)わしい映像を見て性欲を満たしているのを見た事があるぞっ!」 「ハッ!?そっ・・!それは・・た、確かに・・・良く漫画でも男子中学生なんかが友達の家へ行きAVを見て抜いているのを見た事があるな・・・そうだ、まして俺と理機(リキ)は友達をこえて今や親友になったんだ全然キス位ならしても変じゃないじゃないか!ゴメン!理機(リキ)俺友達とか・・ましてや親友なんて出来た事ないから知らなかったんだ!」 「え・・?ああ!気にする必要はない、それに私もそれ程詳しいわけではないしな・・お互い親友について共(とも)に勉強していこうではないか」 「そうだな!よし!良い親友になれるように一緒に頑張ろうな理機(りき)!で・・・その口にすればいいんだよね」 「そうだ、出来そうか?」 「うん、大丈夫だから目閉じてて欲しい」 「わかった」 「(そういえば、アンドロイド以外とするのは初めてじゃないか?)ん・・・んっ、は…あっ…!う…ん…っ!え?…ちょっ……と、…んんっ…あっ!理機(りき)ストップ!」 「どうした?」 「まさか舌も入れてくるとは思わなくて…」 「舌を入れてはいけなかったか?キスは慣れていると思ったので大丈夫かと…すまない嫌だったのか?」 「あ、いやそういうわけじゃなくて、あんまり濃厚なのをされたら…その…下半身がヤバくて」 「そ、そうか・・・それはすまなかった・・・だが今ので藍(らん)も収納空間を使えるようになった」 「それは、よかったデス…それで俺が行く世界ってどんな所?まさか!人間なんか居ないロボットだけが住んでる世界だったりして!うわっ!どうしよう!マジで、そんな世界だったらテンション超上がっちゃうー!ハッ…!大変だっ!?血圧も上がっちゃうから薬も持っていかなきゃ!俺ちょっと血圧高めなんだよ!」 「ちょっと落ち着け藍(らん)、残念ながら人間は居る 機械はお前のアンドロイドと彼らの作った機械だけしかいない」 「あ、そうなの?なんだ…ちょっと大きな夢見過ぎちゃったよ」 「まあ、あちらの世界の事はアチラの神に聞くといい、名残惜しいが向こうの世界に行っても元気でな 体を大事にするんだぞ藍(らん)」 「え?・・・また理機(りき)とは会えるんだよな?」 「会えるが…魂が別の身体に入ってしまうと次会える時は 身体の情報が上書きされてしまうから、その姿で会うのはこれが最後になるな」 「そうなんだ…理機(りき)また絶対一緒に遊ぼうなっ…!うっ…ひっく…ゲームも…いっじょに・・・うっ…え…ヤダよー俺、せっかく出来た親友と離れるなんてっ!」 「藍(らん)泣くなそんな顔をされたら本当に行かせたくなくなってしまう」 「ねぇ・・・ちょっと、いつまで抱き合ってんの!?アンタら!人が大人しく待ってればさっきからイチャイチャしちゃってさぁ!いい加減にしてよねー!まったく!」 「え!?誰?理機(りき)の知り合い?」 「ああ、藍(らん)アレはお前がこれから行く世界の神だ」 「【レイニアス】の神だ!僕に向かってアレって何よ!アレッて!それで?【地球】の神 それが、あのアンドロイド達が言ってた人間なの?」 「そうだ、この魂をお前の世界に転生させアンドロイド達を説得してもらおうと思うのだが…どうだ?」 「へぇ…いいんじゃない?でも説得なんか出来るの?もう人格(こころ)が壊れてて殆んど只の機械の塊だよあんなの!何度も自殺しようとするからさー死ねないように加護を与えたんだ・・・だけど!全然笑わないし人間達とも全然かかわろうとしない!確かにウチの世界は彼らのおかげで戦争も減ったし!人々の暮らしがここ数年で大分豊かになったけど!僕は彼らにも僕の世界で幸せに暮らして欲しいんだっ!」 「うわ~そんな酷いんだ…やべぇ!俺、説得出来るかな…」 「自信をもて藍(らん)ならば大丈夫だろう、何か困った事があれば私を呼べ直ぐに行く」 「リ~キぃ~…うっ…俺また泣きそう」 「ちょっと!いい加減にしてよ!僕だって暇じゃないんだよ!?地球の神と違ってね忙しいんだよ!」 「酷い言われようだな・・・暇だからと私の漫画をいつも借りに来るのは何処の神だったかな?」 「くっ…!うるさいっ!今は忙しいんだよ!早くその魂をこっちに寄越しなよ!」 「え!?なに!?何!?そっちの神様も漫画好きなの!?ねぇ!何が一番好きなの!?アンタも理機(りき)と一緒で海賊とか忍者?」 「え?ああ、僕は探偵とかロボットとかのが好きだな」 「え!?本当に!?俺も好きだよ!因みにロボットはどのシリーズが好きなの!?」 「そうだな!やっぱり…」 「おい!【レイニアス】の神、お前急いでいるのではなかったのか?」 「あ、そうだった!とにかく!この魂は連れて行くよ!ほら行くよ!」 「えっ!?ちょっと…!そんな急に!?理機(りき)!俺のアンドロイド達を助けてくれて有難う!あと、俺の親友になってくれて凄く嬉しかった!元気でな!また絶対会おうな!」 「ああ、またな藍(らん)」 「ほら、着いたよ早速で悪いんだけどさ~もうすぐ消える魂があるから、僕が君を消えた魂のかわりにその肉体に入れるからアンドロイド達に会ってちゃんと生きるように説得してよ、わかった?」 「うん、それより此処ってどこ?ぬいぐるみと玩具がいっぱいだな」 「僕の部屋だ、そんなことよりお前何か欲しい能力とかあったら言いなよ この神である僕がお前に加護を1つだけ授けてやろう」 「そうだな~とりあえずは健康な体と言葉が通じれば今の所大丈夫かな」 「1つって言ったのに2つ言ったな、しかもどっちも もうすでに授けてあるから別なのにしなよ・・・アンドロイド達みたいに死ねない体にする~?」 「やめてあげて!まだ人間やめたくありませんので」 「そっか、じゃあ何か僕の加護が欲しくなったら僕に祈ればあげるから、それまで死なないように頑張って生きてね~君が幼い内は僕も君が命を落とさないように見守っててあげるから」 「え?ありがとうございます・・・それと、さっき俺嬉しかったです!家のアンドロイド達の幸せを願ってくれて【レイ】は優しいんだね!」 「はぁ?何?そのレイってのは」 「レイニアスの神様だからレイって呼ぶことにしました!俺は【石光 藍機(いしみつ らんき)】です!これからお世話になります宜しくおねがいします」 「うわっ・・・勝手に名前とかつけられたし!まあいいけどね、そろそろレイニアスの世界へ送るよ」 「あ!あの!俺って説得が成功したらどうなるんでしょう?」 「好きにしなよ、魂に戻ってもいいし レイニアスの世界で生涯を終えてもいい、君の好きなようにしなよ、じゃあ本当にもう時間ないから送るよ!アンドロイド達の説得頼んだよ」・・・------------------------------・・・ 神様に頼まれ、この世界へと送られてきて3ヶ月・・・ やっと俺 産まれた・・・ いや、まさか母親の腹の中からのスタートだとは思ってなかった・・・ その辺もっと考慮して欲しかったですレイニアスの神様、 正直音しか聞こえないとかメッチャ怖かったし! しかも、3ヶ月も! さてと、それじゃあ第二の人生 あいつ等探しながら、この世界を満喫するかな!

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