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朝陽 23

恥も外聞もなくあの人から離れようとしない男に腹が立った。 でも心は妙に冷めていた。 「恵果さんに用があります、あなたはお引き取り下さい」 男の手が未練たらしくあの人の躰を撫でた軌跡が糸を引くようで気持ちが悪い。 涙をためた恵果さんは、怒りと嫌悪を隠せない僕から目を逸らした。

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