59 / 124

朝陽 29

なぜ? さっきまで恵果さんから感じていた熱が急激に失われて行くのを感じた。 「あ、あなたは!…もう何をしたっていいじゃないですか!」 一度引いた涙が再び溢れ、今度は頬を伝って落ちてゆく。 恵果さんがゆっくりと身体を起こし、目を伏せて首を横に振った。 「…家に帰り…ます」

ともだちにシェアしよう!