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朝陽 58

あんなに優しい声で名前を呼んでくれたのに、どうしてそんな自虐的な事を言うのか。 「…僕だけでは駄目ですか?大学だって、こっちにすればずっと傍に…」 その言葉に恵果さんの肩がぴくっと動き、掌が頬めがけて飛んできた。 反射的に手首をとらえると、怒ったような悲しいような顔で睨み付けられた。

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