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朝陽 59

投げつけられた言葉が胸をえぐる。 苦しくて、抱きしめる腕に力を込めると、恵果さんはむずかる様に身体を捩じり、精いっぱいの力で僕を押しやろうとする。 「…僕では、駄目なんですね」 動きが止まり、沈黙が続く。 …聞きなくない、答えなんか聞きたくない。泣いてはいけない。

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