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朝陽 60

1人無様に取り残された部屋で服を整えた。耳を澄ませてもそこに人の気配はない。もうこの部屋には僕の名前を呼んでくれる人はいない。 さようならの決意をするために、恵果さんがいつも座っている場所に向かって深く頭を下げて、振り絞る様に言った。 「…いつか、また」

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