122 / 124

恵果 61

部屋を出て、乱れた着物を合わせると彼の想いが溢れるように脚を伝った。 「っ...う、ふっ...」 私はなんと酷いことを言ったのか。 どれだけ深い傷を与えてしまったのか。 さようなら、そう口にするのも怖くて臆病で、どうにもならない人間です。 「っ...あさ、っ...」 言葉にならず泣き崩れた。

ともだちにシェアしよう!