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第10話
「ありがとう。誠也。」
「気が済んだか?目が赤いな平気か?」
見上げた誠也は心配そうに僕を見ているが親友にこれ以上心配させたくなくて笑った。
でもまだいつもみたいに上手く笑えない。
「無理に笑うな不細工だ。」
「不細工ってなんだよ。」
「不細工は不細工だ。あんな奴の為に傷付いたお前は見たくなかったよ。あの時にアイツを殴ってでも止めておけば良かったと後悔してる。」
「誠也・・・ごめん。それでも僕は先輩を好きだったと思う。分かっていてでも好きな気持ちが止めれなかった。」
無理やり先輩に抱かれた日に僕は分かっていたけれど好きだと言う気持ちが勝り認めたくなかったんだ。
今日、先輩が卒業するまで認めれなかった。
「亜樹・・・。」
「なんだよ誠也。僕ねまだ先輩を好きだけれど決めたよ。今日で先輩から卒業する。」
「そっか・・・。」
誠也は小さく呟いて少しだけ微笑んだ気がした。
ありがとう誠也。
先輩を好きになった事を後悔したくないから大切な思い出にしたいまだ少しだけ泣きたい気分だけれど僕は前を向いて歩いて行くよ。
親友が笑ってくれるから僕も強くなれそうだよ。
ずっと大切な親友でいてくれな誠也。
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