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第9話
ぼんやりと窓の外を眺めていると数人の生徒の姿が見えた。
泣いていたり笑っていたり様々な光景。
僕は・・・・・。
「まだ居たのか?帰らないのか?」
「えっと、うん・・・うん。帰るよ。」
僕の様子がおかしいと親友に気づかれて近寄って来ると息をのんだように僕の目の前に静かに立っていた。
僕は窓を向いて座り誰が来ても前から僕の姿を見れない様にしてたのに前に立たれたら見られてしまう。
「亜樹(あき)気はすんだのか?」
「誠也(せいや)・・・沢住(さわずみ)先輩ね・・・・僕の名前を知らなかった・・僕だけが好きでずっと好きで・・・・・沢住先輩・・・・・は・・そうじゃなかっ・・・せ・・いや?」
「泣きたいなら我慢すんな亜樹。俺が見えないようにしてやる。」
誠也は僕の頭を掴むとグッと抱き寄せて僕は立っている誠也の腹部に顔を埋める形になった。
ビックリしたけれど少しだけ今だけ甘えさせて貰う。
ごめんな誠也。
誠也は僕が泣き止むまで優しく頭を撫でてくれていた。
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