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1. He Loves 4

「さっき、何て言ってたっけ?」 図書室での台詞を思い出させるために浅いところでくちゅくちゅと抜き挿しすれば、七瀬が耐え切れずに大きな声をあげた。 「先っぽだけとか、いいわけないじゃん! カイくんの意地悪っ」 「お前が言ったんだろ」 ぐっと腰を押しつけてくるのを後ろから掴んで阻止すれば、形のいい唇からまた苦しげな吐息がこぼれる。七瀬は恨めしそうな表情を俺に向けながら、切なげに声を絞り出した。 「……も、ムリ。イキたい……」 睫毛が涙に濡れてキラキラと光っている。限界まで焦らされて喘ぐその顔は無駄にエロくてきれいで、俺の情欲を十分にそそるものだった。 「カイくん、好き……愛してる……イケメン……」 「はいはい」 小刻みに震える細い腰を押さえ込み、手を前に伸ばしてガチガチになった七瀬のものに触れる。溢れる先走りで濡れそぼるそれに指を絡めて緩やかに扱けば、にちゃにちゃと淫らな音が響き出した。 「あ、あっ! ダメ、あああ……ッ!」 手を上下させながら一気に奥まで腰を打ちつけた途端、七瀬は背中を逸らして悲鳴をあげた。 掌の中でドクドクと七瀬の昂ぶりが収縮を繰り返す。それと連動するように、俺を包み込む中がぎゅうぎゅうと痛いぐらいに締めつけてきた。 「……は、あぁ……んッ」 前のめりに倒れ込む華奢な身体に片腕を回して抱きかかえながら腰を動かしていけば、七瀬は息も絶え絶えに訴えてくる。 「や、カイくん……っ、まだ、イったとこ……アァっ」 今度は意地悪してるわけじゃなかった。ただ、俺が我慢できないだけだ。 ガクガクと七瀬の膝が崩れ落ちそうになる度に、繋がった部分で支えるように熱く濡れた奥を何度も激しく突き上げる。達したばかりのそこは溶け切ってうねりながら俺を高みへと誘う。 「七瀬のナカ、気持ちいい……」 思わず後ろから耳元でそう囁けば、腕の中の身体がぶるりと震えて一層強く俺を締めつけた。 「あ……それ、イイ……もっと言って……」 こんなことで悦ぶなんて、七瀬は本当に変態だと思う。 「……ん、カイく、気持ち、い……? ああッ」 揺さぶられながら切なげな声でそう訊いてくる七瀬は、やっぱり無駄にきれいでかわいい。 「うん、気持ちいい……」 素直に答えてやると、また中がギュッと反応する。必死に快感を堪えて俺を受け入れる七瀬を不意に愛おしく感じてしまって、後ろから強く抱きしめながら欲のままに腰を打ちつけていく。 『男同士でもエッチできるから』 入学式の日にきれいな顔で堂々とそんなことを言ってきた七瀬は、実はバックバージンだった。七瀬の初めてがまさかの俺だなんて、これはもう一生の不覚だ。 「あ、カイくん、好き、好き……」 荒く息をつきながら、馬鹿のひとつ覚えみたいにそう繰り返す。抜き挿しする度にきつくなる締めつけに限界がすぐそこまで来ているのを感じて、俺は七瀬にもっと無理をさせてしまう。 「七瀬、こっち向け……ッ」 涙と汗で濡れた顔がこちらを振り返ったところを、奪うように唇を重ねて吐息ごと舌を吸い上げた。 「ん、ふっ、んんん……っ」

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