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4. Your Pleasure 5
「絶対に動くなよ」
そう念を押してから、自分で腰を上下させていく。嘘でしょ? 李一くんが本当にエロくて、心臓が爆発しそうだ。
俺のもたれてる壁に手を付けて、ベッドのスプリングを利用しながら腰を弾ませる李一くんは扇情的で、でもどこかたどたどしくて、もうたまんない。
「ん、あっ、あ……ッ」
小さな喘ぎ声がかわいい唇からこぼれてくる。勝手にキスしたらきっとまた怒られるけど、今すぐにでも唇を奪いたい衝動に駆られてしまう。
繋がってる部分から伝わる快感は、気持ちいいけれどぎこちなくて、どこかもどかしい。
「李一、くん……」
呼び掛ければ瞼を上げてうっすらと俺を見る李一くんの瞳は、泣きそうに潤んでる。
「これ、外して……俺に李一くんのこと、もっと気持ちよくさせてください」
至近距離で見つめ合いながら、なるべく真摯に聞こえるようにそう言う。李一くんは動きを止めて、しばらく考え込んでから忌々しげにチッと舌打ちした。
「仕方ないな」
そう言い捨てながら、枕の下に手を伸ばして小さな鍵を取り出す。
なんだ、そんなところにあったのか。
李一くんの細い両腕が俺の身体に回される。触れ合う肌が熱い。
李一くんに抱きつかれている体勢に、ドキドキが止まらない。この鼓動はきっと李一くんにも伝わってるだろう。
カチャカチャとしばらく手元をいじられて、俺は晴れて自由の身になる。手首を確認してみると、赤く跡が付いていた。でも、明日には消えてしまうぐらい軽いものだ。
手錠と鍵を無造作に放り投げて、李一くんは俺をじっと見つめる。
うん、もう俺から触れても大丈夫……かな?
「ありがとう、李一くん」
そう言って恐る恐る抱きしめると、腕の中の身体が小さく身じろいだ。そのまま腰を突き上げれば、今までよりもずっと大きな声が耳元で聞こえてくる。
深く、浅く。李一くんを揺さぶりながら波のような抽送を繰り返すうちに、心臓に悪い艶やかな喘ぎ声が部屋に響き出す。
「あぁ、はっ、ん……ッ」
そんな声を聞いたらまたすぐにイっちゃいそうで、思わずその唇を自分のそれでそっと塞いでしまう。
舌を挿し込んで、李一くんの柔らかな舌に絡めていく。濡れた音と一緒になって熱い吐息が隙間からこぼれて、それを掬うようにまた唇を重ね直して。どこもかしこも繋がって、どっちがどっちだかわからなくなるこの瞬間が好きだ。
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