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7. the Way You Are - side M - 2
空き教室でおっかなびっくりワンピースに着替えた俺は、李一くんと二人きりで向かい合って立っている。なんと、これからメイクをしてくれるっていうんだ。
李一くんがカバンの中から高級ブランドのロゴが付いた化粧ポーチを取り出した。そこから出てくるのは、ファンデーションにチーク、アイシャドウ。名前もわからないようなメイク用品の一式だ。
キラキラとした小さな道具を机の上にきれいに並べて、李くんは端的に命令する。
「座れ」
言われるまま椅子に腰かければ、向かい合わせに座った李一くんが俺の顔に下地を塗っていく。それから、パウダーのファンデーション。慣れた手つきでメイクを施されて、何だか不思議に思う。
そういえば、この化粧品は全部新品じゃなさそうだ。
李一くん、てっきりT大の理Ⅲを目指してるとばかり思ってたけど、もしかするとメイクアップアーティストになりたいのかもしれない。李一くんの新たな一面に心臓が高鳴る。
アイシャドウにアイライン、マスカラ、チーク。次から次へと繰り出される魔法の道具。こんなことを毎日してるなんて、女の人って本当にすごいなと思う。
されるがままに身を委ねていると、顔全体に粒子の細かい粉をはたかれた。どうやらこれで終わりらしい。
李一くんは最後に真新しい小さな箱からルージュを取り出した。こっくりとした紅色のそれを俺の唇に塗って、そっと口を開く。
「……できた」
李一くんが心ここに在らずという顔をしているのは、きっと俺のクオリティの低さにガッカリしているからに違いない。
「やっぱり、おかしいよね?」
ミスコンに出るのが俺じゃなくて李一くんだったら、優勝が狙えるのに。いや、優勝したところで賞品のカレーチケットクラス人数分だなんて、俺は別に欲しくないんだけど。
かわいい李一くんをじっと見つめながら返事を待ってると、気まずそうに視線を逸らされる。心なしか頬が赤い。
「いいと思うけど」
えっ、本当に!?
俯いてぽつりとそう呟く李一くんはめちゃくちゃかわいくて、俺は思わず腕を伸ばして抱きしめてしまっていた。
ドクドクと伝わる鼓動はどちらのものともつかない。
教室に二人きり。内側から鍵を掛けてるから、中には誰も入ることができない。
「り、李一くん」
やがてどういうわけか、李一くんがワンピースの裾からおもむろに手を挿し入れてきた。
言い忘れてましたが。
俺、パンツを履いてません。勿論李一くんのご所望です。
もう勃ち上がりかけているそこを直に触れるひんやりとした掌につい腰が引けていく。それなのに、腰をガッチリと抱え込まれてしまう。
「え? あ、ちょ……ッ」
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