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7. the Way You Are - side M - 3
俺の腕からすり抜けた李一くんは、屈み込んでワンピースの裾を捲り上げた。剥き出しになったそこがピクリと掌の中で跳ね上がる。
何度か緩々と扱きあげられて、気持ちいいけどわけがわからなくて焦る俺を物ともせず、李一くんは口を大きく開けて、ずっぽりとそれを咥え込んだ。
えええ──!!
「え、えっ、李一くんっ」
「うふはい」
何を言ってるかはわからないけど叱られたのは確かで、パニックになった俺は呆然と立ち竦んだまま与えられる強烈な快感を拒むことなく受け入れてしまっていた。
だって! 李一くんが、俺のを! 食べてるよ──!
今夜は絶対、お赤飯にしよう。今日炊かないで、いつ炊くんだ。
いや、そうじゃなくて! このままじゃ、俺は李一くんにすごく失礼なことをしてしまう。
なのに李一くんの絶妙な舌遣いにひとたまりもなく、俺は高みへと導かれていく。
「あ、李一くん、出ちゃう、よ……」
こんな汚いものを李一くんの口の中に出すなんて、絶対にダメだ。
必死に引き抜こうとするのに、李一くんは離してくれなかった。こうなったら出すのを我慢するしかない、いやそれこそ絶対に無理だ。
縺れる思考は性欲に呆気なく攫われて、俺はとうとう温かな口内に包まれたまま精を迸らせてしまった。
サァッと顔から血の気が引いていくのを感じながら、李一くんの小さな頭を見下ろす。
ああ、俺はなんてことをしてしまったんだろう……!!
「ダメ。李一くん、出して」
慌てて口元に掌を差し出すけれど、李一くんはそれをガン無視して険しい顔をしたまま濡れた口元を指先で拭う。
その後に続くのは、ごくりと喉が鳴る音。
わあああー! どどどどうしよう!
「なんで飲んじゃったの。お腹壊しちゃうよ」
一瞬すごい顰めっ面になったのは、相当苦かったからに違いない。それでもすぐにいつもの涼しい顔に戻って、李一くんは吐き捨てるように言う。
「壊すわけがない。ただのタンパク質だろ」
ひええ、そういう問題?
心臓がめちゃくちゃな速さで高鳴ってる。今まで李一くんから強いられてきたどんな羞恥プレイより、今のが一番恥ずかしいよ。
お陰様でスッキリしたけど、ドキドキが止まらない。李一くん、一体どうしちゃったんだろう。
「湊人。僕、カレーが好きだから。優勝しろよ」
李一くんは上目遣いでそう命令して、腕時計を示してくる。ああ、もうミスコンの集合時間なんだ。
「自信はないけど、頑張るね」
優勝なんて無理だってわかってるけど、それが李一くんの望みならできる限りのことはしなくちゃいけない。
俺はノーパンのまま、空き教室を後にして集合場所へと向かった。
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