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アンドロイドが来た!
会社の同僚が、アンドロイドを買った。
昨今、アンドロイドのいない家庭の方が少ないという。炊事洗濯掃除に育児、ペットの世話から介護までこなし、マッサージ機能まであるらしい。
だが。
俺は買ってない。
家庭用アンドロイドの一台くらい、あった方がいいとはわかっているのだが、何となく気が引ける。
だってそうじゃないか。
もとより一人暮らし。
家事なんて大してない。
自分でしなくて済むことになれる→不自由さを感じない→嫁の必要がない→結婚の必要性を感じない→生涯独身。
簡単に思いつく図式すぎて怖い。
怖いのだが。
怖かったのだが。
「何で俺の家に?」
目の前にあるのは大体、俺の胸あたりの高さの段ボール箱。
『だぁって、せっかくお父さん買ったのに商店街の福引でもっといいの当たっちゃったんだもの~』
って、母さん、テレビ電話ではある程度の距離をとってくれませんかね。
我が母ながらホント、バケモンみたいですよ?
『それがねぇ!ホントよく働くいい子なのよぉぉ!!あんたと違って気が利くし!!』
さりげなく息子批判すんの止めてくれませんかね、あなたの息子ちゃんと心を持った人間なので傷つきます。
『あんた、いいとこって顔くらいだもんね』
うん。それ、褒めてるかけなしてるかわからない。
『まぁ取りあえず使ってみて、ダメそうなら返品しちゃいなさいよ。その代り、その時にはその子スクラップでつぶされちゃうんだろうけどねぇ』
って、母ちゃん明るく笑うけど、……うん、それ、脅しかな?
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