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『平岡さん!!今日飲みどうですか?』
『お!!いいねぇ〜』
なんて言いながら参加した飲み会。
そこには白石もいて…
白石と一緒に働き始めて一年近く。
そう言えば一緒に飲んだことなかったな…
『カンパーイ!!!』
大声で叫び、グラスを合わせるとみんな一斉に飲み始めた。
アンジュのみんなは揃いも揃って酒が強い。
グイグイと飲み進め、あっという間に空いて行くグラス。
それをギョッとした目で見る白石に声をかける。
『驚いたろ?みんな超強ぇんだよ。』
『そうみたいですね…』
白石のグラスを見るとビールが半分以上残っていた。
『あれ?あんま飲めねぇの?』
『ビールはちょっと…』
『じゃぁいいじゃん。違うの頼みな。俺飲んでやるから。』
そう言って白石のグラスを持ち一気に飲み干す。
『で、何頼む?』
『あ…じゃぁ、焼酎を。』
『お!!渋いね。』
そう言いながら店員に注文した。
チラリと白石を見ると真っ赤な顔。
『お前酔ってんじゃね?』
そう聞くと、
『酔ってませんよ!!』
と返ってきた。
その真っ赤っかな顔で言われても…
と、思ったんだが、それは本当だったみたいで、焼酎が来た途端飲むわ飲むわでアンジュのスタッフにふさわしいと思った。
コイツ酒強ぇ。
俺も強い方でいくつものグラスを空けながら女性スタッフ達と楽しく飲んでいた。
『えー。なんか辛い…その女最低だね。』
そんな声が聞こえてそちらの方を見る。
そこでは白石が女性スタッフ何人かと飲んでいて、少し酔いが回っていそうだった。
話に聞き耳を立てる。
なんでも高校時代に付き合っていた人に遊ばれたとかなんとか。
一回ヤるだけヤッてポイ。
でもその人が忘れられなくて…
だ、そうだ。
『その女最低!!』
女性スタッフ達が怒りながら相槌を打っている。
女か…。
なんとなく俺のことかな?なんて一瞬思ったけど、違うか。
しかも俺捨ててねぇし。
一回ヤッてポイってその女なかなかのやり手だな。
そもそもコイツが俺と昔付き合ってた陸なのかどうかもまだ確信が持てないわけで…
でも、この陸が俺と付き合っていた陸で、忘れられない相手が俺だったらいいな…なんて。
そう心の中で思っている自分がいて…
俺は本当にどうしたいのだろうか。
そう言えば俺、当時アイツに好きだって言ったことなかったな…
そんなことを思い出す。
と同時に、もしもその時が来たら今度こそちゃんと好きだって言葉に出して言いたいな…と思った。
って、その時っていつだよ!!なんて。
この目の前にいるのがあの陸だとしても俺は気持ちを伝えることはできないのかもしれない。
アイツの方がよっぽどかっこいいな…
高校時代、俺に告白してきた陸を思い出しフッと笑いが漏れたのだった。
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