あー、ちょっと酔ったかも。 二次会に流れるみんなに謝りながら家路につく。 ちょっと今日は飲みすぎた。 だって先輩があんなことするから… 元々酒は強い方だがビールだけはなぜか苦手だった。 乾杯のために注がれたビールもなかなか進まなくて… そんな俺に先輩がした行動。 『俺飲んでやるから。』 そう言いながら俺の残したビールを一気に飲み干す先輩。 それ…間接キスですよね？ 女とヤりまくってる俺がこんなこと言うのも変だけど、すごくドキドキした。 おかげで俺の顔は真っ赤。 先輩にはお前酔ってんじゃね？って聞かれるし。 そりゃもう本当に酔うしかないでしょ？ってなもんで飲みに飲みまくったわけで… あー。 でも今日は本当飲み過ぎた。 足元フラフラ。 明日は月曜日で休みだし、なんとか朝までに家に着きゃOKって感じかな？ なんて考えながら歩く。 あれ？ でもなんかグラグラして…ってコケる!!! そう思った瞬間 『あっぶねーな!!お前飲み過ぎ。』 そう言いながら腕を掴まれた。 『せ…平岡さん!?』 『俺も二次会パスしたから家まで送ってやるよ。家どこ？』 『そんなの悪いからいいですよ!!』 『それじゃ帰れねぇだろ？』 『帰れますよ。』 いきなりのことに動揺する。 酔いのせいでちゃんと頭も回らなくて余計天パって… 『怪我でもされたら人手足らなくて店回んねぇじゃねぇか。』 あっ…そういうことか。 なんだか少し期待していた自分がいて恥ずかしくなった。 『…』 『家どこ？』 『ーーです。』 『俺んちの近所じゃねぇか。ちょうどよかった。』 そう言いながら先輩がさりげなく俺の肩を抱く。 触れた部分が熱い。 そこからドキドキが伝わってしまうんじゃないだろうかというぐらいうるさく鳴り響く心臓。 懐かしいドキドキが、あの頃に戻ったみたいだった。