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俺たちは大人だから… さっきのこともとりあえず置いといて、ミーティングに勤しむ…はずだったのに、資料を取る手が触れ合ったり、落とした物を拾うのにまた手が触れ合ったり… お互い意識しまくりで、すごくぎこちなかった。 俺らガキかよ… まぁ…俺は間違いなくガキかもしんねぇな。 さっきだって抑えられたはずなのにあんなこと… 思い出すだけで、あぁぁぁぁ!!と叫びたくなる。 このまま関係が修復されないんじゃマズイよな… そう思いながら帰り道を歩いていると白石が口を開いた。 『平岡さん。』 『なに!?』 『今日のこと、俺は忘れるんで、平岡さんも忘れてもらってもいいですか?』 『…』 『このままじゃ気まずくないですか?仕事もやりにくいし…』 確かにそうだ… でも忘れるって… お前は本当にあの陸とは別人なのか? 名前も一緒でホクロもあって… なのに別人を貫き通すのか? そうか…俺のことが嫌いなのか… 嫌いだから昔のことは思い出したくなくて完全に俺のことを忘れようとして記憶から抹消してんのかな? そうだったら俺…もう無理じゃん。 忘れられねぇ…とは言ったけど、好きだとは言っていない。 俺は一生「好きだ」って伝えられねぇのかな。 もう無理だろうな… 『わかったよ。忘れる。あんなことして悪かったな。じゃぁ…』 それだけ言って俺は一人歩き出した。 この前送って行ったときに初めて近所に住んでいると知った。 同じ方向に帰るはずなのに今日は遠回りして帰ろう…そう思い反対方向に向かって歩く。 一杯飲むかな… そう思いながら行きつけのBARに向かったのだった。

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