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『あれ?どうした?白石は?』
『白石って?』
『お前のシャンプーしてただろ?』
『あっ…なんか交代して慌ててどっか行っちゃって…』
『えっ?なんかあったのか?』
『わからないんだけど、なんか啓太が彼氏っていう話した途端にこんなことになって…』
それを聞いた瞬間、俺は慌てて周りを見渡し白石を探した。
『ちょっ!!啓太!!』
千秋に呼ばれながらも考えるのは白石のことばかり。
アシスタントに聞くとロッカールームだというのでそこへと急いだ。
『白石?』
恐る恐る入ると一番奥で座り込みながら俯く白石がいた。
『どうした?大丈夫か?』
『あっ…腹…腹痛くて…すみません。』
『そうか…大丈夫か?』
『大丈夫です。』
ずっと動かないまま答える白石が気になって近づく。
『な、なんですか?』
『お前本当にだいじょ…』
白石の様子を見ようとグイッと顔を上げさせると目を真っ赤にして泣いていた。
『白石…』
『あっ…え…腹痛ぇー。』
必死に腹を押さえながら白石が言う。
絶対嘘だ。
俺はそう思った。
『白石。本当のこと教えてくれよ。なんで泣いてんだ?』
『だから、腹痛いって!!』
半分キレながら言う白石に俺は聞く。
『なぁ…お前、陸なんだろ?』
『は、はぁ?違いますよ?俺は先輩の知ってる陸じゃありません!!!はっ…!!』
『先輩?お前やっぱり…』
『………』
『なぁ陸、なんでそんな嘘つくんだよ!! 俺と一緒にいたの忘れたのか?』
『……俺は…もうあの時の俺じゃない。』
『えっ?』
『…確かに…俺は先輩と付き合ってた白石陸です…。でももうあの時の俺とは違う。だからほっといてくださいよ…あんな可愛い彼女もいるじゃないですか。だからもう俺のことはからかわないで下さい!!!俺は先輩のことが大っ嫌いなんですよ!!!』
『……。白石…ごめん。俺、そんなに嫌われてると思わなかったわ…本当、悪かったな…』
そう言って俺はホールへと戻った。
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