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『ありがとうございました。』
頭を下げながら部屋に入ろうとする白石を見届ける。
『白石!!!』
俺はなぜか叫んでいた。
『なんですか?』
驚いた顔で白石が俺を見る。
『お前…彼女と結婚すんのか?』
『……考えてはいますけど…』
『俺が…結婚するなって言ったら…どうする?』
『…な、何言ってんですか!!どうもしませんよ!!!おやすみなさい!!!』
そう叫ぶと白石は部屋に入ってしまった。
閉まった扉を見ながら溜息をつく。
俺、ほんとバカだな…
バチ当たりまくり…。
一人夜道を歩きながら考える。
好きなやつには幸せになってほしい…
そう思うのに白石の結婚を心から喜べない自分がいる。
俺が幸せにする…
そんなことばっかり考えて…
ほんと…俺はアホか。
考えがガキだよなーなんて。
もっと大人になんなきゃ。
子供すぎる自分に呆れながら家に帰ったのだった。
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