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41 陸side
帰り道、また少し飲み過ぎた俺を介抱しながら先輩が家まで送ってくれている。
こんな風になることを期待してわざと少し飲み過ぎた。
ぶつかる肩にドキドキと鳴り響く心臓。
少しだけ…
少しだけこのまま…
『なぁ、お前彼女いるんだってな。』
『えっ?なんでそれ…』
『店長が言ってた。』
『そうですか…』
『女の取っ替え引っ替えはやめたのか?』
少し笑いながら先輩が言う。
『やめましたよ…』
『その子に本気なんだな…幸せにしてやれよ。』
『……そういう平岡さんは…彼女とはどうなんですか?』
『俺?そんなのとっくに別れた。』
『えっ?』
『だから今はフリー。』
『あっ…女取っ替え引っ替えして遊んでるんですね。』
俺は少し笑いながら冗談交じりに言う。
『それもやめた。バチ当たったから。』
『バチ?』
『うん。』
『そうですか…』
俺はそれ以上何も聞けなかった。
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