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『おはようございます…』
『おはよう…』
なんだか気まずい。
そりゃそうだ。
昨日あんなこと言っちまったからな…
「俺が結婚するなって言ったらどうする?」
あんなことよく言ったよな。
冗談交じりで言ったつもりなのに、少し動揺した白石の顔が頭から離れなくて…
あぁ…ほんとに結婚しなきゃいいのに…
そしたら俺が…
って思ってしまった。
確実に好きという気持ちが大きくなっている。
忘れられないどころの騒ぎじゃない。
もちろんあの頃の白石が忘れられなくて今までズルズル引きずってきたけど、大人になった白石と再開して、現在の白石のこともどんどん好きになっている自分がいる。
一緒に働いてきた中で、何事にも一生懸命なところにも惹かれたり…
俺の気持ちは成長している。
ただもう手遅れだ。
女と結婚するって…
その女に勝てるわけがない。
世間体も法律上もその女に勝てることはないのだ。
辛い…けど、これが現実。
なのに俺の諦めの悪さには…笑える。
これからどうこうしようなんて出来っこないのにな…
高校時代、転校先や住所を聞いておかなかった時点でもう手遅れなのだ。
バッカみてぇ…
フッと笑いを漏らしながら頭を掻いたのだった。
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