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45 陸side
『ねぇ、どう?』
『いいんじゃない?』
『あぁー!!可愛い!!やっぱりこっちのドレスにしよっかなぁ。』
「俺が結婚するなって言ったらどうする?」
先輩の言葉が頭の中を回る。
俺の気持ちとは裏腹にどんどん進む結婚話。
いよいよ結婚式の日程まで決まってしまった。
麗美さんはドレス選びに夢中。
俺がここで結婚するのやめよう…なんて言ったらみんなグチャグチャになるんだろうな…。
親父はクビかなぁ?
おぉー怖…
家族が路頭に迷う…
結婚をやめるなんてそんなこと絶対にできないな。
目の前で何着ものドレスを着てはクルクルと回って見せてくれる麗美さんに愛想笑いを向けながら心の中では溜息をつく。
俺ほんと性格悪いな。
なんでこの性格丸出しにして嫌われようとしなかったんだろ…
ここまで話も進んじゃって、もう手遅れだよな…
苦笑いまで出てくる。
店長に結婚式のこと言わなきゃな…
そんなことを考えながら早く終わらないかなぁ…?と最低なことを考えていた。
『陸くん!!』
『は、はい!!』
『どうしたの?ボーッとして。』
『いや、別に…』
『ならいいんだけど…』
麗美さんは不審がりながらもまたドレス選びを再開した。
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