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46 陸side
『あの…店長。ちょっといいですか?』
仕事終わりに片付けをしている店長を呼び出した。
『ん?どうした?』
『私事なんですが…結婚することになりまして…』
『おお!!いよいよか。いつだ?』
『三ヶ月後なんですけど…』
日程や、場所、その日は休ませてほしいということを話した。
店長はノリノリで、店を休みにしてみんなで結婚式に行くと言ってくれた。
みんなにはギリギリまで黙っておいてほしいと頼んだ。
色々聞かれると嘘ばっかりつかなくちゃいけなくなるから厄介だしな…
好きでもないことがバレると大変だ。
先輩も来るのかな…
なんだかすごく嫌だな…と思ってしまった。
そもそも好きでもない人との結婚式に好きな人が来るなんておかしいだろ…
こんな変な状況を作ったのは俺だけどさ。
ここまでくるともう後戻りはできない…
流れに身を任せ、毎日を何も考えず過ごすのみ。
こんなこと本当はおかしいんだろうけど、俺以外のみんなが幸せになるならそれでいいじゃないか。
なんて考えながら片付けを済ませ、家路についた。
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