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第6話
* * *
ピッピピッ、ピッピピッ、ピッピピッ。
騒がしい電子音で目を覚ます。手探りでアラームを切って、あくびをすると、次第に頭が覚醒してくる。
「ゆめ……せっかく正和さんいかせたのに」
「それどんな夢?」
既に起きていたらしい彼が、俺の顔を覗き込む。
「……忘れた」
「じゅーん」
「…………騎乗位で正和さんイかせる夢」
「ふーん?……じゃあ誕生日にやってよ。今月誕生日だし」
「え……」
(そっか、今月誕生日……もう十一月か……)
ニヤニヤしている余裕そうな彼に、現実では到底勝てそうもなかった。
おしまい。
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