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第1話

「お誕生日、おめでとう」 「ありがとう。……それから?」 「っ……」  やっぱり、やらなきゃだめですか。その為にシャワーも浴びて準備もしたけど、いざやるとなると緊張して何から始めたらいいか分からなくなる。  今月初めに、誕生日は『騎乗位でいかせる』という約束を一方的に取り付けられてしまって、今日まで散々考えて、動画を見ながら軽く練習もしたが、うまくできる気がしない。  練習、と言っても、玩具を使う勇気はなく、腰の動きとイメージトレーニングだけだ。アダルトビデオに出てる女優さんオススメのスクワットなんかもやってみたが、果たして効果があるかどうか。 「こっち、来て」  クイクイと正和さんの服を引っ張って、ベッドへ誘導する。楽しそうにニヤニヤしている彼をベッドの端に座らせて、緊張して震える手でシャツのボタンを外し、服を脱がせていく。 「純も脱いで」  いつもより熱い視線に恥ずかしくなって顔を逸らすが、腕を引っ張られて再び彼の方を向くことになった。 「ほら、早く」  急かされて、するりするりと服を脱ぎ、ズボンを下着ごと下ろしてベッドへ上がる。恥ずかしくて顔が火照り、耳までじんじん熱い。 「自分でほぐして見せて」  彼にローションを渡されて、覚悟を決める。躊躇っていても、やることは変わらないのだから頑張らなくては。彼の誕生日くらい、俺が満足させてあげたいと言う気持ちもある。

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