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俺が俺でなくなる 蓮華談

裏切られたと勘違いしたままの落ち込んだ榊を慰めたのがその女だった 榊はみずえたちの状況は全く知らなかった 女に慰められる度ふらっとその女を頼ってしまいそうになった榊だったがみずえへの想いは忘れられなかった… 榊side ちゃんと考えればわかったんだ…みずえがそんな女じゃないことくらい 女から聞くみずえの悪口は聞いていて腹が立った 俺はみずえを愛している。ちゃんと話さないとならない… 久しぶりに帰る我が家は荒れていた いつも飾られていた花は無くいつも綺麗だった部屋も散らかっていた 俺を見つけたみずえは俺を捲し立てた…言われても仕方のないこと… 先に裏切ったというのはどう言うことなんだ…わからなくて戸惑っていた するとみずえは刃物を持ち出し俺に向かってきた 為す術もなく目を閉じると待っていた衝撃は来ない その代わりぬるりとした小さな何かが倒れてきた 「ゆずき!!」 「とうさん…よかった…」 「ゆず!!ゆず!!」 ゆずきに気をとられていた 「お母さん!!」 さなえの声が聞こえて刃物がからりと床に落ちた 一先ずゆずきを病院へ…そう思い無言で家を後にした 病院に運んだがゆずきの傷は深く昏睡状態… ずっと目を覚まさない…俺はずっとゆずきの側に付き添い仕事が手につかなくなっていた。 そんなときあの女がやって来た 「ねぇ。松原さん」 「はい」 「奥さんと離婚なさった方がいいんじゃない?息子さんまでこんな目に遭わされるなんて…おかしいわよ」 「みずえはおかしくない!!」 「血の繋がった我が子を殺したのよ!」 「まだゆずは死んでない!」 「ねぇ」 「頼むから帰ってくれ!!」 「じゃあこれ。ばらまいて良いかしら?」 見せられた画像に息を飲んだ。無理矢理に開かれていくみずえの体… 「浅ましいわね。奥さん。こんな目にあっているのにとてもよさそうに喘いで」 「何で…」 「榊さんが私の物になってくれるならこれはここで消してあげる。これ以外はどこにも残っていないわ…どうする?私だったらゆずくんの治療費だって払ってあげられるわ」 「…わかった…」 うなずくしかなかった。 その後俺はこの女の家へ監禁された。 俺は鎖で繋がれている。女の都合の良いように使われた ゆずはどうしているだろうか…目を覚ましただろうか…みずえは…さなえは… 俺の会社はいつしか潰されてしまった。従業員たちはどうしただろうか… 皆路頭に迷っていないだろうか… 「ゆずは…どうしてる?」 「ゆずくんなら亡くなったわよ。」 「…」 「もう火葬したわ。」 「なんでっ…!!勝手なことを…」 「いいじゃない。あなたはもうここからは出られないのだから感謝して欲しいわ」 「お前…」 「私にそんな態度とっても良いのかしら?」 逆らえばどうなるのか俺は身をもって経験していた。 「そんなに怯えて…可愛いわね」 快楽と言う拷問は痛みよりももっと辛い…

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