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家族って
「茜…俺…家に帰りたい…」
「ん?俺たちの家?それとも実家?」
「まずは実家。あのあとそらとりくに会えてないし」
「だね。」
父と母は毎日会いに来てくれる。体はもうなんともないんだけど如月家のお抱え医師さまがなかなかここから出してくれない。
不安定になりかねないからだって。
心配しすぎだし…
「せんせ。俺帰りたい。何かあったらすぐくるから。だめ?」
「そのつもりで今日はきたんだ。安定してるようだしね。もう平気なの?」
「はい。大丈夫です。茜もいるし兄もいるので」
「さっなえ!!」
「毎度毎度抱きつくのやめて…」
「えぇ…つれないなぁ…」
「ねぇ。兄さん。俺今日で家に帰れるんだけど兄さんはいつまでこっちにいるの?」
「さなえが向こうに戻るまでいるよ!心配だし。どうせ茜くんとの愛の巣に帰るんでしょ?冬休み終わったら」
「うん。そのつもり。ねぇ。俺の家族に会ってくんない?多分そらもりくも喜ぶと思うんだよね」
「何歳!?」
「小学二年だよ」
「そうなんだぁ。うん!!行く!!…あ…でも俺のことはなんて紹介するの?急に兄だって言われたってわかんないよね?」
「ん~…一先ずお友達でもいい?」
「いいよ!!」
「午後に両親が迎えにくるから一緒に行こ?」
「うん!いいよね!!茜くん」
「はい!勿論です」
「その前に母さんたちに会いに行きたい」
毎日面会には行っていた。俺の気持ちはもう固まった。
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