162 / 356
家族って
「母さん」
「ゆずき。さなえ。いらっしゃい」
「父さんは?」
「飲み物買いに売店にいってるわ。すぐに戻るわよ」
「あのさ。俺今日で帰るんだ」
「よかった!!おめでとう」
「ねぇ。母さん。」
「何?」
「また会いに来ても良い?」
「勿論!嬉しい…」
「また二人でくるよ!!」
「おぉ。お前たち来てたのか」
「俺今日の午後帰宅する」
「よかったな」
「それでさ。この間の話なんだけど…」
「ん…」
「俺はやっぱり松原には戻らない。ごめんね」
「そうか…」
「でもさ。会いに来ても良い?兄さんといっしょに」
「あぁ。いつでも。待ってる。…あ。俺家決まったんだ。仕事も軌道に乗ってきたし。小さなデザイン事務所なんだけどね。仕事は自宅でしてる。だからいつでも会いに来て」
「うん。ありがとう」
「さなえ。ゆずき」
「ん?」
「ありがとう…こんなに酷いことたくさんしたのにまた会いに来るって言ってくれて…さなえ。ゆずき。今幸せ?」
「「うん!!」」
「よかった…よかったわ…」
「父さん。母さん。大好きだよ」
二人は目を潤ませ頷いてくれた。
迎えがくるまで母に与えられた部屋で過ごし自宅に戻った。母はその数日後もっと施設の整った病院へ移動した
「さなえちゃーん!!おかえりー!!会いたかったよ!!」
「そら。りく。ただいま。心配かけてごめんね。」
「うん!!」
「こんにちは」
「あなたは誰?」
「さなえの友達だよ。 ゆずきです。よろしくね」
「よろしくね!!ゆずちゃん!あそぼ!!」
「あそぼ!!」
「ゆずちゃんいくつ?さなえちゃんより年下?」
「え!!上です!!二つ上の大学生なんだよ」
「えぇ。うそー!!さなえちゃんと茜ちゃんの方が大人っぽい」
「なんだよぉ!!」
「だって可愛いんだもん!」
小学生に可愛いなんて言われるとは…さすが…兄さん…
「仲良く遊んでもらってるんだよ。俺と茜はお父さんたちに話があるから」
「うん!」
ともだちにシェアしよう!