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卒業

今日は茜たちの卒業式。 俺も認定試験はクリアできた 茜は春からあの研究室のある大学へ進学が決まっている 他のみんなもそれぞれ道が決まった。 俺はもうしばらくバイトに専念して来年度進学を目指している 今日は卒業祝いをうちですることになっている その準備に俺は追われていた 両手に沢山の花束を抱えやってきた茜に苦笑する 「それ全部プレゼント?」 「うん…」 「相変わらずおモテになるようで…」 「俺はさなえにだけモテればいいし…」 「まぁ…そうもいかないでしょ。心配だなぁ…大学へ行ったらもっとモテるんだろうなぁ…」 「俺も…心配…だって前より一緒に過ごせる時間減るし…」 「浮気しないでね」 「そっちこそ」 「俺は大丈夫。モテないから」 「もう…心配…」 「俺は茜だけしか見えてないから安心して。ね?」 「さなえー…可愛い…」 抱き締められグリグリと肩に重みがかかる あの頃からさらに背も延びて本当に… たまんないくらいカッコいい… 俺だって背延びたはずなのに茜には追い付けなかった… 何でこんなにカッコいい人が俺の側にいるんだろう。何でこんなに愛してくれるんだろう…何でこんなに… あんなに嫌いだった…あんなに離れたかった…あんなに… 今ではもう茜なしじゃいられない程に茜に溺れている… きっとこれからも…ずっと変わらない… 何で…って思うことはこれから先沢山待っているんだろう その度一緒に越えていけたらと願っている… 何でこんなに…愛しい…これから先もずっと側にいてね… 数年後… さなえ。茜おめでとう!! 小さな小さな宝物が俺たちの元へ舞い降りた fin.

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