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藍瑠side 今日は学校…怖い…あの子達がいるから… でも…行かなきゃ…蒼を心配させちゃう… 本当は御木本くんに蒼を頂戴って言われて嫌だった… でも御木本くんの状態を見たらそんなわがまま言えなかったし蒼を困らせたくなかったから頷いた… 元々この気持ちは伝えないつもりだったんだから…蒼に誰か出来る日だって来ることはわかってた。 それが早まって…相手が御木本くんだったってだけのこと… 御木本くんはいい子だから…仮の恋人だったとしてもいつか蒼は本当に好きになって… そのまま本物になってしまうかもしれない… 俺の想いはどっちにしたって叶わなかったんだから… 何度も自分に言い聞かせ学校へ向かった。 教室につくとクラスメイトが話しかけてくれるからみんなに挨拶をして自分の席へつく まだあの子達は来てない ぼんやり校庭を見ていると…蒼と御木本くんが仲良く一緒に歩いてくる姿を捕らえた… とてもお似合いで…目を伏せる…苦しい…こんなの…こんなに苦しいなんて…知らなかった… 「藍!」 「…」 「あーい!!どしたの?怖い顔になってるよ」 「…」 「藍ってば!!」 「…っ!あ!はよ…」 この子はクラスメイトの青山 圭翔くん 蒼の次にモテる人。 「さっき挨拶したじゃん!」 「あれ?そうだっけ?」 「酷くない。まぁそんな藍ちゃんも可愛いけどね」 「圭くん!俺かわいくないよ?男だよ?」 「可愛いよ。心配になっちゃうくらい可愛い」 「女の子だったら良かった…」 「藍?」 女の子なら…蒼な隣にいられたかもしれない…何で俺は男の子なんだろう… 「藍…どしたの?」 「え?何でもないよ」 うーんって唸りながら額に掌を当てる圭くん。 「熱は…ないね。何か元気ないし…何かあったら言ってね?あ…でも…構いすぎると蒼が怒っちゃうかな?」

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