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家族

葵&薊side 「でもまさか本当だとはね…」 「すいません…多分茜が…」 「選んだのはさなえだからそれはいいの。茜くんの嘘のない笑顔なんて久しぶりに見たな…って」 「嘘のない笑顔…?」 「あ…気を悪くしたならごめんなさい。茜くんと出会って間もなくは花のように笑う子だって思っていたんだけど…いつからだったか…無理に仮面を被っているような気がしていたの…何か秘密でもあるのかなって…」 「そうですね。私も感じていました…でも…親なのにその理由が…未だにわからなくて…親失格です…茜が笑えるようになったのはさなえくんのお陰ですね…昔の茜が戻ってきた気がします」 「でも…あの頃の違和感…なんだったんでしょうね?」 「わかりません…」 「まぁ何にせよ今二人で幸せそうに笑っているのなら良かったのかもしれませんね。にしても…あの子達…バレてることきっと気付いてないでしょうね」 「そうですね」 「まぁまだうちの人は気付いてないでしょうけど。あの人鈍いから」 「みのりさんかなりショック受けるでしょうね…」 「まぁみのちゃんは私が何とかするわ。心配しないで」

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