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禁止令から3日…
何でこんなに客多いんだろう…
「あの…」
「はい」
すごく綺麗な人が声を掛けてきた
「えっと…これ!じゃあ!」
「あ!お客様」
メモのようなものを渡される。
「さなえ。休憩入って」
「はい。」
さっき渡された紙を見たら女の子らしい可愛い文字で連絡先が書いてあった
思わず顔が綻ぶ
「すげーっ…俺に連絡先くれる子なんて物好き…でも嬉しい…」
「さなえ…」
「っ…茜?お疲れ様。お前も休憩?」
「それ…何?何にやけてんの?」
「初めて連絡先もらえた」
「ほぉ…で?連絡するの?」
「するわけないでしょ?俺には茜がいるのに。てかお前もいつももらうじゃん!」
「俺はすぐ捨てるし…にやけたりもしねぇ」
「お前は貰いなれてるからだろ…てかこのくらいでそんな怒んないでよ。連絡する訳じゃないんだし…」
「もう…いい…」
「茜!待って!」
あ…つい抱きついてしまった…
「さなえ…それさ…禁止令解除でいい?」
茜は妖しげな笑みを浮かべこちらを振り返る…
「あ…う…お前…今のわざとか…わざと怒る振りを…」
「わざとじゃないよ。俺は怒ってる」
明らかに怒ってない…でも…
「いいよ…解除で…いいよ…」
実はもう耐えられなかった…自分で言った手前引っ込みがつかなくて…たった2日なのに…茜がくっついていてくれないと寂しいって思ってた
「ふふっ…やったぁ…」
「でも…っ…バイト終わってからね?」
「ん…わかったよ…」
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