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運命の日
俺は部屋に戻り一人でソワソワしながら待っていた
これで俺たちのこと反対されたら…
俺には茜しかいないのに…
一人になってしまう…一度手に入れた茜が去っていく…そんなの…生きていけない…
だったら俺は茜を…自分の中の恐ろしい感情が蠢く…
「俺は…何を考えているんだろ…」
そんなことは出来るわけないのに
目を閉じる…どんなことでも受け入れなくちゃ…
そう自分に言い聞かせた
気付けば机に突っ伏して眠っていた
「さなえ。ご飯よ」
「ん。今行く…」
リビングに向かうとそこには茜の姿はなく焦る
「あ…茜は…茜はどこ?」
「茜くんなら…」
「ねぇ!どこにいるの!!ねぇ!」
「さなえ。落ち着きなさい」
「茜…茜…茜…」
「さなえ!!」
「やだ…茜っ…茜返して…」
自分でも訳がわからなくて…茜はどこなの?
「茜…茜…」
壊れたように茜の名前を呼ぶ。でも返事なんて帰ってこなくて…何かが切れた音がする…
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