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epilogue
正直、楓以外を好きになったことはない。
だから、電車であいつを触った気持ちの悪いクソジジイも、あいつを囲んで虐めた頭の悪いクソビッチ共も、全部、本気で殺してやりたいと思った。
やり返してえ。と言ったのは本心だった
楓が望まないからそうしないだけで、
やれと言われれば迷わず俺はやるだろう
馴れ馴れしい兄貴にでさえ、
少しイラッとする。
触るな、見るな、俺のなのに。
告白する勇気もない奴がよく言えたもんだが。
抱き合っている最中、好きだと言われたのは予想外で、一瞬俺の妄想かとも思った。
あいつは隠したがるけど、あの大きくてくりくりですこし垂れた目は、誰が見てもかわいいと思うものだし、それに気づかない楓を少し不憫だと思っていた時もあったけど、もし、楓がそれに気づいていて、周りもそのかわいさに気づいていたなら、悪いオオカミ共に何をされていたかわからない。
それならそうなる前に俺が、俺の手で、楓を抱きたかった。
幼稚園の時の劇で楓をお姫様役にしたのも、先に好きになったのも、結婚しようと言い出したのも、部屋に連れ込んであれこれしようとするのも、迷惑掛けるのだって、全部俺なのに。
あいつは全てを受け止めようとするから…
ちっちゃくて細っちいあの身体で、俺を必死に受け入れようとするから、だから、どうしたって可愛くて、恋しくて、愛したいと思う。
何度だってやくそくするよ。
俺をこんな気持ちにさせるのは
楓だけだから。
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